第311回 シェールガス関連の投資対象は?

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第311回 シェールガス関連の投資対象は?

<質問>

シェールガスが話題になっていますが、投資対象としてどういうところに注目すればよいでしょうか?

<回答>

アメリカを中心としたシェール革命により、シェールガスやシェールオイルに関わるいわゆるシェール関連銘柄への投資が注目されていますが、シェール関連のビジネスは大きく分けて2つあり、まずはこの2つの大きな違いを理解することが重要だと思います。

シェール関連のビジネスには、①ガス・オイルを掘って儲ける会社、②関連ビジネスで儲ける会社、の2つがあります。前者はガス・オイル価格の影響を大きく受け、後者は直接的にはあまりその影響を受けません。

まず、①のガス・オイルを掘って儲ける会社というのは、コストをかけてシェールガスやシェールオイルを産出し、産出したものを販売して利益を得ます。販売するガス・オイルの値段が高くなれば高くなるほど、コストとの差が大きくなって利益が大きくなりますが、反対にガス・オイルの値段が安くなればなるほどコストとの差が小さくなって利益が小さくなります。実際に、ガス価格が低下したことでコスト割れを起こしてしまい、倒産してしまった会社もあります。2013年4月に破産法申請をしたGMXリソーシズなどはその典型例です。

一方、関連ビジネスで儲ける会社はガス・オイルの価格が上昇することによって利益が大きく増えたり、反対に価格が下落することによって利益が大きく減る、というような直接的な影響は受けにくい構造にあります。関連ビジネスというのは、例えば、シェールガス・シェールオイルの産出に必要な機械・薬品・施設などを提供する会社や、産出したガス・オイルを輸送するサービスを提供する会社、産出過程で汚染した水を浄化したり環境対策を行う会社、などです。これらの会社はガスやオイルの価格に連動しない価格設定となっていることが多く、輸送サービスを提供する会社であれば輸送量に応じて課金するというケースがほとんどです。

当然ながら①のビジネスのほうが②と比べてハイリスク・ハイリターンとなる傾向があります。シェール革命によるより大きなリターンを期待するなら①への投資ということになりますし、ある程度リスクをおさえて投資するなら②への投資ということになろうかと思います。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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