第313回 証券会社ならではのNISA口座の使い方は?

今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。

第313回 証券会社ならではのNISA口座の使い方は?

<質問>

NISA(日本版ISA)についてよく耳にします。証券会社ならではのNISA口座の使い方を教えてください。

<回答>

何事もそうですが、小事にとらわれて大事を見失ってはいけないと思います。NISAをどう活用すべきか、の前にまず自分にとって最適な資産配分を考えるのが一歩目であり、NISAの活用に最もメリットがあると考えられる商品を自分の資産配分に必要でもないのに組み入れる、というのでは本末転倒です。まずは自分にとって最適な資産配分を考え、その中でNISAを活用するのに適した商品をNISA口座を使って投資する、というのがあるべき姿だと思います。

投資収益に対する税金が非課税となるNISAを活用するのに適した商品というのは、当然ながら税金がたくさんかかるものということになります。税金がまったくかからないのであれば、課税口座でも非課税講座でも経済効果は同じですから。では税金がたくさんかかるのはどういうものかと言えば、これまた当然のことですがより大きなリターンがあがるものということになります。未来のリターンをあらかじめ知ることはできませんから、どれが一番税金がかかるか、どれが一番非課税の恩恵を受けることができるか、ということをあらかじめ知ることはできません。期待リターンで考えるしかないということになります。

というわけで私の結論は自分にとって最適な資産配分を考え、その中で最も期待リターンが高いと考えるものをNISA口座を使って投資するというのが良いのではないかと考えます。その際に、ご質問にある「証券会社ならでは」というのはやはり選択肢の多さだと思います。銀行など証券会社以外の金融機関の場合は株やETFなどの上場有価証券を買うことはできませんが、証券会社であればこれらを活用することができます。

もちろん、自分の最適な資産配分を考えた結果、上場証券は必要なく、投資信託だけで十分という方であれば銀行などの金融機関でも構わないということになりますが、資産配分を考えた結果、上場証券への投資が必要で、さらに自分の資産配分の中で最も期待リターンが高いと考えるものが上場証券であれば証券会社でNISA口座を開設するべきでしょう。NISA口座はひとり1つしか持つことができませんし、当面は口座を持つ金融機関の変更もできませんから、NISA口座の開設はこれらを踏まえたうえで慎重に選びたいものです。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

マネックスからのご留意事項

「お金の相談室」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧