第315回 2013年下半期 注目材料は?

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第315回 2013年下半期 注目材料は?

<質問>

7月に入り、2013年も後半戦に突入です。下半期の注目材料について教えてください。

<回答>

2013年下半期の注目材料についてお話しさせていただきます。

最大の注目点はアメリカの金融緩和の行方ということになろうかと思います。現在行われている史上空前の規模の金融緩和をいつまで継続するのか、いわゆる「出口」はいつなのか、その時期や可能性についての政府高官の発言が出てくるだけでも現在の市場は大きく揺れ動きます。史上空前の規模で行われてきたアメリカの金融緩和の出口戦略の難しさは筆舌に尽くし難いものがあります。金融市場や実体経済にインパクトを与えることのない出口を模索するというのは現実的ではなく、むしろどれだけそのインパクトを抑えることができるのか、抑えるために有効な手段は何か、ということが焦点です。

市場に供給されてきた大量のマネーがその行方を占って右往左往することで最近の市場はボラティリティーを大きくしてきており、この問題を差し置いて下半期の最大の注目材料となるものはないのではないかと思います。

これに次ぐのは9月に予定されているドイツの選挙の行方ではないでしょうか。4年に一度の連邦議会選挙が大きな混乱なく終わり、安定政権が誕生し、欧州債務問題の解決に向けて堅実な一歩を踏み出していくことができるのか、注目されます。春先にはユーロ離脱とマルク復活を掲げる政党が誕生し大きな話題となっていました。

そして日本の参議院選挙、あとは日本の投資家の関心が高いオーストラリアでも9月14日に総選挙が予定されています。オーストラリアの総選挙はギラード首相が1月に異例の早期発表となる8か月後の選挙実施を発表し、ニュースとなりました。こちらは炭素税と資源税の扱いで与野党の意見が分かれるものの、それ以外の点で与野党の意見が大きく分かれているものはないように見えます。オーストラリアの場合は選挙よりも現在継続的に行われている利下げと利下げによる景気とインフレの行方のほうが市場の注目度は大きいかもしれません。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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