第321回 30代前半男性。今から投資を始める際のポートフォリオの作り方について

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第321回 30代前半男性。今から投資を始める際のポートフォリオの作り方について

<質問>

30代前半男性。ある程度自由に投資に回せるお金ができてきました。NISAで盛り上がりを見せる投資熱ですが、今から投資を始める場合のポートフォリオの作り方についてアドバイスをいただけますか。

<回答>

まず、投資のリターンを決める最大の要因はどこの国のどの資産に何%ずつ配分するかというアセットアロケーションであることを認識することが最も大切なことだと思います。とかく「ファンド選び」に関心が集まりがちですが、最初にすべきこと・最大の時間をかけるべきこと、はアセットアロケーションの決定だと私は考えます。

具体的なプロセスとしては、株と債券の比率をまず決める、株と債券それぞれの中でどの国に何%ずつ配分するかを決める、サテライト的に加えるものを検討する、決まったアセットアロケーションを作り上げるために必要なそれぞれのパーツ(ファンドなど具体的な商品)を選ぶ、という流れになります。

どういう国のものを買うべきか、というのはいろいろな考えがあると思いますが、私は株でも債券でも、自分が成長すると考える国のものを買うのが基本だと思います。どの国が成長するのかも全くイメージがわかないという方はIMFの成長率予想を参考にされると良いかと思います。今後5年分の予想しかありませんが、彼らでも発表できるのは5年程度なのだと考えるべきでしょう。IMFほどの公平性をもって予想を出している機関はなかなかありませんので、根拠のない「あの国が良いらしい」「すごいって聞いた」などといういかがわしい噂話を頼りに資産配分を決めるよりはずっと良いと思います。

あとは、これから投資を始めるということであれば、たとえある程度まとまった金額が用意できていたとしても、その中の少しの部分で投資を始めることをおすすめします。投資の知識というのは、投資をしていない状態で勉強してもなかなかイメージしにくいことが多く、体系的な理解も進みにくいものです。ところが投資を始めると投資の知識というのは飛躍的に増えていきます。次々に気になることが出てきて、それらの気になることが疑問を解決していくうちに知識は猛スピードで増し、体系的な整理も進んでいきます。そうすると、「あんなもの買うんじゃなかった」とか「こうすればよかった」というのが後になってたくさん出てきます。その時にすでに全ての資金を使って投資をしてしまっていては、修正をすることも難しくなります。

まずは、自分の最適配分は何か、を考えてみて、少しの金額から初めてみることをおすすめします。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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