第325回 利便性の高いNISA活用法~虎の巻~ (JPモルガン・アセット・マネジメント)

今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。

第325回 利便性の高いNISA活用法~虎の巻~ (JPモルガン・アセット・マネジメント)

<質問>

いよいよ10月1日から少額投資非課税制度(=NISA)の口座申し込みが始まりますが、どのようにNISAを活用すべきなのか、正直、まだ迷っています。どのような使い方があるのか教えてください。

<回答>

ご質問いただき、誠にありがとうございます。今回はJPモルガン・アセット・マネジメントの鈴木英典がお答えします。

まず、NISAの主なポイント(注1)ですが、

1. この口座を使うと、毎年、新規投資額で100万円まで、最長5年間、上場株式や公募株式投信等の配当・譲渡益が非課税になる

2. 途中売却は自由ですが、一度売却してしまうと、その部分の金額は再利用できない

といったところになります。つまり、簡単にいえば、一定額までの投資で得られた所得が非課税になるということです。よく比較される確定拠出年金に比べると、ある意味、非常にシンプルで、使い勝手も良さそうな制度ですので、申し込み件数が順調に伸びていることも十分頷けます。

しかしながら、その活用方法となると、自由度が高い分だけ、様々な方法が幅広く考えられます。つまり、「投資家が100人いたら、NISAの使い方も100通りある。」といっても過言ではないでしょう。

そこで、ここでは、3つの投資家タイプ別にNISA活用法~虎の巻~をお話しします。
まず、1つめのタイプは、今まであまり投資に積極的ではなかった方々です。投資未経験者や初心者の方々にとっても、非課税枠は大きな味方になり得ます。アベノミクスが奏功し、インフレ率が2%を目指す動きになれば、現金や預金では実質的な価値が目減りしてしまいます。同時に、経済環境は、緩やかながら、徐々に好転しつつあります。このような状況は、新たに投資を始めるのに最適な環境といえます。そこで、このような方々へのお勧めは、預金よりは高いリターンが期待できるものの、安定性、確実性の高い商品です。具体的には、為替ヘッジ付きの外国債券や、リスク度の低いバランス型投信等が当たります。商品を選ぶ際に最も重視すべきことは、まずは、元本割れの可能性が極力低く、無理なく長期間保有できることです。また、総投資額を抑え気味にすることも、長期間投資を続けるコツです。

次に、2つめのタイプは、投資経験が長く、すでに様々な投資商品を保有している方々です。このような方々にお勧めしたいのが、株式100%のようなハイ・リスク・ハイ・リターンの商品です。NISAは、非課税投資枠の制度ですから、実際の所得が増えるほど節税額も増えます。したがって、節税額の最大化を狙うのであれば、所得の最大化が期待できる商品が最適ということになるのは、ある意味、理の当然です。したがって、複数の運用商品を保有する計画であれば、その中で最も期待リターンが高い商品をNISAに当てるのが合理的と考えられます。ただし、この場合、期待リターンが高い商品は、値動きも粗く、したがって、元本割れする可能性も無視できないこと、また、その場合、NISAを使うと他の投資との損益通算ができなくなることは十分ご認識ください。

そして、3つめが、様々な必要性から、安定的な分配金獲得を目的に投資 している方々です。このような方々にとっても、分配金が非課税になるNISAの活用にはメリットがあります。ただし、元本の取り崩しにあたる特別分配金の場合、もともと課税対象ではないため、節税にはならないことには注意が必要です。つまり、非課税メリットを享受したいなら、もともとしっかりとリターンが上がる投資信託を選ぶ必要があるというわけです。

このようにNISAは、様々なタイプの投資家が、幅広く活用し、非課税メリットを享受できる制度です。ただし、課税・非課税に関わらず、投資目的や投資期間、そしてリスク許容度は、投資家毎に違いますので、ご自身の状況に照らして、最適な投資戦略、投資商品を選び、十分にNISAをご活用ください。

(注1)ここでは主なポイントしか記しておりませんので、詳細は金融庁のHP等でご確認ください。

コラム執筆:
鈴木英典(すずき・ひでのり)

JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社

投資戦略ソリューション室長

JPモルガン・アセット・マネジメントのホームページにおいて、連載コラム「投資耳(ミミ)」https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/Column/Indexや「資産運用の井戸端トーク」https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/column/index.htmlを執筆。

マネックスからのご留意事項

「お金の相談室」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧