第337回 注目の新株価指数「JPX日経インデックス400」とは?

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第337回 注目の新株価指数「JPX日経インデックス400」とは?

<質問>

1/6より算出開始された新株価指数「JPX日経インデックス400」について教えてください。

<回答>

JPX日経インデックス400は2014年1月6日から新たに算出開始となった日本株を対象にした株式指数です。日経と東証が共同で開発しました。

最大の特徴は企業のファンダメンタルズ(基礎的条件、財務状況や収益力など)を考慮した株価指数であるという点です。まず最初に除外されるのが①適格基準です。上場後3年未満、過去3年どこかで債務超過、過去3年連続営業赤字、過去3年連続最終赤字、整理銘柄、のいずれかに該当すると除外されます。次に②流動性基準。過去3年間の売買代金と選定日の時価総額の2項目で流動性が高い上位1,000銘柄を選びます。その上で③ファンダメンタルズを3つの指標で測り、スコアリングします。3年の平均ROE(40%)、3年の累積営業利益(40%)、時価総額(20%)、の3つで順位づけを行い、順位に応じて点数をつけ、()内の比率でウェイト付けした計算した総合点数をつけます。これまでのプロセスでほぼ構成銘柄が決まり、最後に補完指標で、独立した2人以上の社外取締役の選任、IFRS採用、決算情報英文資料をTDnetで開示、の3つで加点可能となっています。

銘柄入れ替えは年に1回、6月最終営業日に銘柄入れ替えを行います。指数の算出方法はTOPIXと同じ時価総額加重型で、日経平均のような単純平均株価ではありません。また1.5%の組入れ上限(キャップ)がついています。

そもそもなぜこのような指数を新たに算出することにしたのか、その狙いは東証の発表文をそのまま引用するのが適切かと思います。「資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数を創生します。これにより、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業価値向上を促し、株式市場の活性化を図ります。」

最後にこの指数に関していくつかの注意点というか、心に留めておくべきポイントを申し上げておきます。まず①ファンダメンタルズの良い銘柄が良いパフォーマンスを記録するとは限らないということ(特に期間が短い場合)、②赤字企業が除外されるということは赤字からの復活というような大幅業績回復銘柄を取りこぼすということ、③時価総額加重方式のため値嵩株の影響を強く受けるわけではないので、値嵩株の影響を強く受ける日経平均とは性質を異にすること、の3つは良い・悪いではなく特徴として心に留めておくとよいかと思います。あとは、個人的な感想としては「日本企業の魅力を内外にアピールする」のであれば、銘柄数が400というのは多すぎると思います。特徴が出やすくするためにも、厳選した20銘柄くらいの指数にしてほしかったですね。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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