第338回 今すぐ始める積立投資!NISA口座内での注意点とは・・・!?

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第338回 今すぐ始める積立投資!NISA口座内での注意点とは・・・!?

<質問>

100万円の投資額に対する利益について非課税になるNISA。NISA口座内での積立投資を検討していますが、NISA口座内で積立投資をする場合の注意点があれば教えてください。

<回答>

以前お話しさせていただいた、ポートフォリオを組む際の注意点を踏まえたうえで、NISA口座内での積立投資をする場合の注意点についてお話しさせていただきます。

積立投資は投資タイミングを分散できるというメリットや、まとまったお金がすぐに用意できていなくても始められるというメリットがあります。一方で、いくつかの注意点もあります。まず1つ目は、投資期間の終了日が定まっていることから、積立期間の後半で投資する分については投資期間が短くなってしまいます。過去の十分に長い期間の市場データは、将来の十分に長い期間の投資リターンを予想するのにある程度参考になりますが、いずれかの期間が短い場合にはあまり参考になりません。例えば過去3日の平均気温は今後10年の平均気温とは大きく乖離する可能性がありますし、過去10年の平均気温は今後3日の平均気温と大きく乖離する可能性があります。


また、NISAの有効期間内にリターンを出すことを目指し、リスク(ブレ幅)が小さく、安定的にリターンが積み上がっていくことを期待するポートフォリオを組んだ場合、投資するタイミングが遅くなればなるほど高い値段で買うことになり、投資機会を逸することになります。


さらには、リスクはある程度高いもののリターンも高い、というような資産を組み込んだ場合、長い期間を与えることでリスクが低減することが期待できます。積立によって投資タイミングを分散するよりも、早く投資を開始して、投資期間をできるだけ長くとったほうが結果としてリスクを小さくできる場合もあります。


最後に、債券のクーポン収入や株式の配当などのインカムゲインは中長期投資のパフォーマンスを力強く下支えしてくれる大きな力となります。こうしたインカムゲインの積み上がりに期待する場合もできるだけ早く投資を開始して、できるだけ長く投資期間をとることがその効用を大きくするために有効なアプローチとなります。特に中長期で運用する場合の債券のリターンはインカムゲインがその多くの部分を占めるため、インカムゲインの積み上がりを最大化するために、できるだけ早くから投資を開始するというのは有効な手段と言えます。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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