第342回　GWの自由な時間を有効活用！GW明けに役立つ投資情報とは？

＜質問＞

日本はGW中ですが、海外の市場は通常通り開いていると思います。この期間に見ておいて方が良い指標や確認すべき投資情報はありますか？

＜回答＞

短期の売買で利益を出す投機取引をしようとする人と中長期の投資をしようとする人では必要な情報もその捉え方もかなり異なってきます。中長期の投資をしようとする人にとっては大事なことは足元や目先の話よりも、今後の中長期的な投資環境や経済状況を考えていく必要があります。

前者について言えば、短期的にはファンダメンタルズだけではなく多種多様な要因がインパクトの大きさも様々に影響してきますので、それこそこれだけ見ておけば大丈夫というものはなく、広範な情報収集や考察が必要になると思います。一方、後者では、一般に期間が長くなるほどファンダメンタルズが影響する割合が高まってくると言えますので、ファンダメンタルズについての情報収集や考察に重きをおき、むしろ足元や目先の話に振り回されないように注意すべきかと思います。

中長期の投資を考えている方には是非、GW中に普段なかなかできないようなファンダメンタルズについての情報収集や考察をされてみることをおすすめします。その際におすすめしたいのはIMFのデータベースと統計局の「世界の統計」です。いずれもインターネット上で無料で見ることができますし、内容的にも極めて優位性の高いものです。

統計局のほうは経済データに限らず社会的なデータもとれます。データは古いものもありますが、国際比較ができるようにデータを揃えているので、様々な国同士の比較をしてみるのに非常に役に立ちます。IMFのほうは何と言っても英語版しかないのが最大の難点ですが、使われている用語は限られているので、調べながら、あるいは慣れてしまえば、使うのにはさほど苦労しないと思います。それでもこのページの有用性はそれを大きく上回るものがあります。何といっても世界189ヶ国について1980年以降の各年データがとれること、時系列・国際比較が容易にできること、今後5年間のIMFの経済予測が掲載されていること、が大きなメリットです。経済成長率の予測やインフレ率の予測というのはそう簡単にできるものではありません。適当な肌感覚で自分で予想するよりもIMFの予測をそのまま使って考えるほうが良いと私は思います。参考程度にも是非一度ご覧になってみることをおすすめします。

ご参考）
●統計局「世界の統計」
http://www.stat.go.jp/data/sekai/notes.htm

●IMFデータベース
http://www.imf.org/external/index.htm
（World Economic OutlookにあるDatabase）

コラム執筆：ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。