第346回 「ふるさと納税」のメリット・デメリット

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第346回 「ふるさと納税」のメリット・デメリット

<質問>

最近よく耳にする「ふるさと納税」について。制度の詳細を教えていただけますでしょうか。

<回答>

ふるさと納税は、都道府県・市区町村に対して寄附をすると、寄附をした寄附金額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・住民税から全額が控除されます。自分の生まれたところや育ったところ、またそれらに限らず応援したい自治体など、どの自治体に対する寄附でも対象となります。なお、所得税・住民税から寄附金控除の適用を受けるためには、寄附をした翌年3月15日までに所管税務署に確定申告を行う必要があります。申告の際には寄付金受領証明書(寄付を受け取った自治体が発行する領収書)が必要です。


イメージとしては、住んでいるところと別のところに実際に税金を納めるのではなく、稼いだお金のうちの一部は当然ながら住んでいる自治体に税金として納めることになるが本来納税するはずの額の一部を自分の選んだ自治体に寄附してしまうことで、自分の住んでいる地域に納めるべき税金からその額が差し引かれて、実質的に自分の選んだ自治体に税金を納めたことになる、というものです。


どんな制度でもメリット・デメリットはあるもので、ふるさと納税のメリットとしては、
①自分が住んでいる地域だけではなく、自分が応援したい地域にもその一部を納めることができる、②その地域に生まれた人が成人して故郷を離れて違う地域でお金を稼いで税金を納めると成人するまでに自治体が使ったお金を「回収」できなくなるという事態が発生するがこれを一部解消できる、③ふるさと納税や寄附で得たお金の使い道を限定している自治体の場合には納税者が自分の納めた税金の使い道をある程度制限することができる、などがあります。

一方でデメリットとしては、①市区町村へ寄付されたお金が対象となっていない都道府県民税分も合わせて控除されてしまう、②同じ地域に暮す者がふるさと納税の利用有無によって高い/安い税負担で同じ地域サービスを受けることになってしまう、③自治体の税務に関する業務が煩雑になる、などが挙げられています。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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