第353回 親から子供への投資教育、まず最初にできることはなんだろう?

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第353回 親から子供への投資教育、まず最初にできることはなんだろう?

<質問>


8月実施の「MONEX 個人投資家サーベイ」で、子供へのマネー・投資教育についてとりあげられていました。親から子供への投資教育について、まず最初にできることはなんでしょうか。


<回答>

いろいろな考え方があると思いますが、私が考える最も重要な投資教育はお金がお金を生みだす資本主義の大原則を理解させてあげることです。たとえば、おこづかいのあげ方。毎月決まった金額のおこづかいをあげて本人が全部使ってしまう、あるいはその中から少し残して貯金箱にいれる、ほしいもの・必要なものがあった時にその都度必要な額のお金をあげる、というパターンもあるでしょう。この3つのパターンでは「お金がお金を生む」という資本主義の大原則を学ぶことができません。

大人になって社会に出て、自分で生計をたてるようになった時、多くの人は資産を築き上げるアプローチが【収入】-【支出】=【残り】の蓄積しかないと考えます。【収入】を増やすのは容易ではないので、お金をたくさんためるには【支出】を減らす、無駄遣いを減らす、節約をする、ことで【残り】を増やしてお金をためる、という話になりがちです。資本主義社会では資本を使わないことも「資本の無駄遣い」です。【残り】を貯金箱に入れて眠らせる、インフレ率以下の期待リターンの銀行預金や保険にする、こうした資本の無駄遣いはそのままにして、【支出】を減らしていくことばかり考えていくというのは、資本主義社会でお金のことを考えていくアプローチとしてはいかがなものかと思います。

私は現在子育て世代で、周りからもこういった相談を受けることが多いですが、よくご紹介する私のアイデアは「子供に資本をもたせて資本にリターンをつけてあげる」です。おこづかいの中から少しでもいいのでお金をとっておく、お年玉の中から少しでもいいのでお金をとっておく。これを貯金箱に入れておくか「お父さんマーケットかお母さんマーケットに投資」をするかを考えてもらいます。お父さんマーケットやお母さんマーケットはより長い期間引き出せないようにした場合、より高いリターンをつけてあげて、複利効果がでやすいように年次複利ではなく月次複利にしてあげると良いと思います。「資本」はとっておいて「資本」が生み出すリターンをおこづかいの上乗せとすることもできるし、「資本」が生み出すリターンを更に資本に加えて資本を大きくしてより多くのリターンを得られるようにすることもできます。

投資教育の一歩目としての私のおすすめはこんな感じです。ご参考になれば幸いです。

なお、子供の名前で証券口座を開設しようとした場合、未成年が親権者の同意のもとで証券口座を開設できる金融機関はあまりありません。マネックス証券は未成年が親権者の同意のもとで証券口座を開設できる数少ない証券会社で、私の子供も口座を持っています。これは大変素晴らしいサービスだと思いますし、私にとっては欠かせないこのサービスを提供してくれているマネックス証券に個人的に非常に感謝をしているので、マネックス証券さんからはこの点についてのアピールは全くご依頼いただいておりませんが、文末にて皆さんにこの素晴らしいサービスについてご紹介させていただきました。


コラム執筆:ジョン太郎


金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。


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◆8月実施「MONEX 個人投資家サーベイ」子供へのマネー・投資教育、約7割が
必要性を感じる
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/invest/survey.htm

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