第354回 銘柄をみつける第一歩!初心者向け会社四季報の見るべきポイント。

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第354回 銘柄をみつける第一歩!初心者向け会社四季報の見るべきポイント。

<質問>

2014年秋号の四季報を購入しました。初心者が最初に見るべきポイントを教えてください。

<回答>

四季報は、数千社に及ぶ上場企業の情報を同じフォーマットで掲載しているため、企業同士の比較をするなど、自分なりの投資選定基準に当てはまる企業を探すのに適しています。もちろん、インターネットで無料・有料で提供されているYahoo!ファイナンスなどに代表されるような企業情報も同様の性格を持ちます。どれを使うかは、個々人の調べ方に合ったものであれば良いと思います。紙面のほうが見やすかったり、過去に見たところを見つけやすかったり、マーカーをしやすかったり、慣れ親しんでいたり、と紙面ならでは良さは四季報の魅力の1つだと思います。

四季報にびっしりと書き込まれている内容にどういうものがあるかと言いますと、大まかに分類するとこのようになっています。

1)会社名と会社概要(業種、事業構成、特色、従業員数、設立年、上場年、決算月など)

2)記事(業績の見通し、会社の課題、ヒット商品、足元の業況、事業戦略、展望、合併や新たな事業展開、など)

3)主要株主と役員、連結企業

4)財務状況、各種指標(発行済株式数、時価総額、B/S主要項目、ROE、ROA、過去最高益、設備投資額や研究開発額、キャッシュフローなど)

5)資本異動と株価、格付等(合併、交換、分割、新株発行、過去の株価の高値・安値・最高時価総額、業種別時価総額順位など)

6)業績(P/L主要項目、EPS、配当の推移と今後2期の予想)ちなみに予想は四季報の担当者による予想です。

これらの情報を企業間で比較し、自分が投資したい企業の基準に当てはまるような企業を見つけたり、調べたい特定の企業の情報を他社と比較したりします。

この中でどこを最初に見るべきか、あるいはどこを重視するか、というのはまさに自分がどういう基準で企業を選ぶか、投資先企業を選ぶ際に何を重視するか、に他ならず、万人に共通の正解はありません。短期間の売買で投機的にリターンをあげていきたい人と、中長期的な投資でリターンをあげていきたい人ではおさえるべきポイントが異なって当然です。例えば、私の場合ですと中長期投資が大原則で、重視するポイントは「つぶれない」「中長期的に利益が伸びる」の2つです。なので、私自身はあまり四季報を見ませんが、たまにパラパラと見るときには1)と2)と4)と6)です。

短期的な売買で投機をする目的で、すぐに上がりそうな銘柄を探したいという方であれば、例えば極端に割安な銘柄を探すとか、あるいはその割安な状態にもっともな理由がないかチェックするとか、チャートの形を見るとか、黒字転換や大幅増益などをしている会社を探すとか、今後2期の業績予想のところを重視するとか、それこそ千差万別だと思います。まずは、ご自分がどういうポイントを重視し、どういう基準で投資先企業を選ぶかをしっかりと定めることが大事です。そうでないと溢れる情報に溺れてしまいます。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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