第380回 ジュニアNISA、NISA、教育資金贈与サポート・・・それぞれの賢い使い分け

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第380回 ジュニアNISA、NISA、教育資金贈与サポート・・・それぞれの賢い使い分け

<質問>

ジュニアNISAと通常のNISA、教育資金贈与サポート。それぞれの特長と使い方の違いについて教えてください。

<回答>

まずは、これらに関わる税金について整理しておこうと思います。関係する税金は主に、

(1)資産を親・祖父母から子・孫に移転する時に発生する贈与税・相続税
(2)投資収益に対する税金

の2つです。「ジュニアNISA」と「通常のNISA」は(2)の、投資によって儲かった分に対する税金が免除されるという制度であって、親や祖父母から子・孫に資産を移す時の税金の話とはまた別です。「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」は(1)の、親・祖父母から子・孫に資産を移転する時の贈与税が免除されるという制度で、贈与した後の資金を運用する云々の話は別の話です。

投資収益によって儲かった分の税金が免除されるジュニアNISAと通常のNISAの主な違いは、以下の通りです。


【制度対象者】ジュニアNISA:19歳以下/通常NISA:20歳以上

【運用者】ジュニアNISA:親権者等/通常NISA:本人

【払出し制限】ジュニアNISA:18歳まで不可/通常NISA: なし

【年間投資上限】ジュニアNISA:80万円/通常NISA: 100万円(2016年から120万円)

【金融機関変更】ジュニアNISA:変更不可/通常NISA: 年単位で変更可能

最大の違いは19歳以下の子・孫の名義で資産運用をするか、20歳以上の親・祖父母名義で資産運用をするか、の違いです。親・祖父母が自分の名義で運用していき、大きな資金になってから子・孫に相続したり生前贈与したりすると、大きく増えた金額に対して課税されてしまいますが、子どもに非課税枠の範囲内で生前贈与して子どもの名義で運用していけば、贈与税も、投資収益に対する税金分も両方節税できることになります。

ただし、ジュニアNISAは18歳になる前に引き出しをするとそれまでに発生していた利益に対して課税されてしまいますので注意が必要です。ジュニアNISAの位置づけは、子どもの名義で効率的に資産を増やす、ということになります。金額は年間80万円までで、贈与税のかからない年間110万円の範囲内で子・孫に贈与をして、それを非課税で運用するというのが基本的な使い方になります。

一方、マネックス証券の「教育資金贈与サポート」で利用できる「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」は、祖父母から子・孫に教育資金として一括して拠出した資金は1,500万円までが贈与税が非課税になるという制度です(もともと、親子間で都度支払われる教育資金は贈与税が非課税でした。)。教育資金の使途は金融機関が領収書等をチェックし、確認・記録し、保存されます。対象となる子や孫が30歳に達する日に終了し、教育資金として使われなかった残りは課税対象となります。

こちらは祖父母から子・孫に大きな金額を非課税で贈与できる、というところがポイントで、これまでに蓄えてきたまとまった資金があってそれを子・孫の教育資金として使っていきたいという場合にはとても大きなメリットがあります。通常の年間110万円までの枠を大きく超えてまとまった資金を贈与できるので、うまく使えばかなりの節税効果があります。


コラム執筆:ジョン太郎


金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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