第385回 30代社会人が知りたい!リスクとリターンの基礎のキソ

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第385回 30代社会人が知りたい!リスクとリターンの基礎のキソ

<質問>

30代社会人です。投資についてそろそろ考えたいのですが、リスクとリターンの基本的な考え方を教えてください。

<回答>

まず、投資成果を測定することを考えてみて頂きたいのですが、100万円投資して130万円になった場合、どのくらい大きく増えたと言えるでしょうか。また、1億円投資して1億50万円になった場合と比べてどちらが大きく増えたと言えるでしょうか。投資の世界では投資成果を収益率(変化率)で表します。変化後÷変化前-1、で計算するので先ほどの例では130万円÷100万円-1=30%、1億50万円÷1億円-1=0.5%となります。この収益率が過去に平均してどのくらいだったのか、を測定し各資産がどのくらいお金を増やす力があるのかを「リターン」として表します。

また、各資産が性質的にもっているお金を増やす力を使って時間をかけてお金を増やそうとする「投資」においては、「本源的なリターン」という考え方もあります。例えば株式であれば企業の利益成長によって割高にならずに(PERが上昇せずに)株価が上昇していく力や、利益の一部が配当として還元されてインカムゲインが積み上がっていく力を本源的なリターンとして捉えます。債券であれば、利金がインカムゲインとして積み上がっていく力が本源的なリターンです。

一方、リスクについては、「良くないことが起こる可能性」という一般的な意味のリスクと、投資の世界独特の「値動き」という意味のリスクの2つがあります。

「良くないことが起こる可能性」は「リスクの種類」と考えることができます。例えば、金利が上がって債券価格が下がる可能性がある(金利変動リスク)、株価が変動して値下がりするリスクがある(株価変動リスク)、投資先企業の財務状態が悪化して貸していたお金を返してもらえないリスクがある(信用リスク)、為替レートが変動して値下がりする可能性がある(為替リスク)、などなど投資には様々な種類のリスクがあります。

そして、リスクは種類だけでなく、大きさも重要です。どんな種類のリスクで値下がりする可能性があるかだけではなく、どのくらいのリスクの大きさでどのくらい値下がりする可能性があるのかが「値動き」という意味のリスクです。値動きの大きさという意味のリスクの大きさというのは2つの観点で捉えることができます。まずは普段の値動きの大きさです。1日単位、1か月単位、1年単位、でどのくらい値動きするのか。これは過去の値動きの範囲を調べ、収益率のバラつきを考えることで把握できます。もう1つは、最悪のケースでどのくらい値下がりする可能性があるのか、です。これはリーマンショック時などの最悪のケースでの動向を調べることで把握できます。これらが投資の世界のリスクとリターンの基本的な考え方です。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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