第388回 社会人7年目。今年こそ投資を!最初の一歩は・・・?

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第388回 社会人7年目。今年こそ投資を!最初の一歩は・・・?

<質問>

社会人7年目になります。2016年 いよいよ投資を始めたいのですが、まず何から始めていいのか手付かずです。最初の一歩としてオススメの行動を教えてください。

<回答>

投資を始めたいということで大変良いことだと思いますが、最初に4つのことをおすすめしたいと思います。

まず1つ目。基本的な知識をつけましょう。

世の中には投資や投機、金融や経済に関する様々な情報が溢れています。情報に溺れたり、間違った情報を信じてしまったりしないために、情報を取捨選択するための最低限の知識が必要です。その際、おすすめしたいのは、まずは公的機関の資料で学ぶことです。公的機関の資料をおすすめするのは、商売が絡んでいないこと、情報の正確性と客観性がある程度期待できること、無料で手に入ること、の3つのメリットがあります。金融庁の以下のページには、投資の基本的な知識を得るための情報やリンクがまとめられていますので、まずはこちらで勉強してみると良いと思います。

http://www.fsa.go.jp/ordinary/investment.html

http://www.fsa.go.jp/ordinary/index.html#oshiete


2つ目、上記である程度の知識がついたら、次に投資の目標を決めましょう。
投資の世界には、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンという原則があります。リスクが高いものほどリターンが高く、リスクが低いものほどリターンが低いということです。また、ノー・フリーランチ(タダ飯はない)という言葉があります。何らかの犠牲や代償なしに、何かを得ることはできないということです。より高いリターンを期待するためにはより多くのリスクをとらなくてはならないので、まずどのくらいのリターンを期待するのかを考えてみることが大切です。最低限の目標としてはインフレ率程度、これはお金が目減りしないためのギリギリラインということになります。100万円が100万円だったらいい、という「お金の金額」を減らさないというところから、今100万円で買えるものを時間が経った時にも買えるようにするという「お金の価値」を減らさないということを目指す大きな一歩です。更に、「減らさない」というところから「増やす」、「大きく増やす」ためにはより大きなリスクをとることが必要になります。また、より多くの時間が必要になります。1つ注意しなくてはならないのは、持っている全てのお金で考えることが大切です。インフレ率程度の運用目標を掲げて、持っているお金の1/10だけをインフレ率程度の期待リターンのものに投資をしてそれが実現できても、持っているお金全体はインフレ率の1/10のリターンでしか増えません。持っているお金全体で考えることが大切です。

3つ目は、アロケーションを決めることです。

投資のリターンの大半はどの資産にどのくらいずつ配分するかという「アセット・アロケーション」で決まります。ですから、いきなり投資する商品を選んだり商品比較に多くの時間を割いたりするのではなく、まずは投資する資産を選び、その配分を考えることに労力と時間をかけるべきです。アセット・アロケーションの決定をご自分でやらずに、アセット・アロケーション・ファンドやバランス・ファンドと呼ばれるような、パッケージになった投資信託を買うという選択肢もあります。その場合、それぞれの投資信託によってアロケーションファンドのやり方も、考え方も、とるリスクも異なるため、自分の考えにあったものを選ぶために、アセット・アロケーションを考えるための労力と時間を使うべきかと思います。

4つ目は、毎月少額でも少しずつ投資していくような積み立て投資を始めてみることです。

投資の世界では時間の分散(投資タイミングの分散)という方法がとても有効です。投資はまとまった資金がなくてはできないものではありません。まとまった資金がないうちでも、少額からでも、少しでも早くから、積み立て投資で少しずつやっていくことが、良いアプローチではないかと思います。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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