第394回 新年度スタート!投資で気を付けたいポイントとは?

今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。

第394回 新年度スタート!投資で気を付けたいポイントとは?

<質問>

新年度、投資先も見直したいのですが、新たな投資先としておススメの商品、気を付けたい商品などを教えてください。

<回答>

投資に対する考え方は千差万別で、リスク許容度もリスクの捉え方も、期間も、期待するものも十人十色です。お一人お一人のお話をうかがってその方に合ったもの、その方におすすめできるもの、をお伝えすることはできても、全ての方におすすめできるものはこれですというものはないと私は思います。

一方で、気を付けたい商品、は多くの方が陥りやすい状態や、よくある誤解・勘違い・錯覚などから、ある程度多くの方にこういったところに注意しましょう、と申し上げることができます。今回はそうしたポイントをいくつかご紹介したいと思います。

◆「人気で売れ筋で値上がりしているもの」を選んで高値掴みしないように気を付けましょう。
投資で最もおかしやすい失敗の1つは、多くの人が買っていることで割高になりながら値上がりしたものを「良いものだ」と誤解し、「良いものだから値上がりした」と価格上昇をもって正当化してしまうことです。「人気のもの」は割高になっていることが多く、「割高なもの」は割高感の調整による価格下落を起こしやすいのですから、「人気のもの」を買う時には十分注意しましょう。株式であればバリュエーションをチェックするだけでも随分違ってくるはずです。債券であれば人気を集めて資金が集まっているものは、価格が上昇することで利回りがどんどん低下していきますので、利回りの推移をチェックすればよいと思います。

◆ないものを求めないように気を付けましょう。
ないものを求めると、リスクを見落としたり、商品性を誤解したり、酷いケースでは違法商品や詐欺商品に投資してしまったりしかねません。現在の日本では日銀によるマイナス金利の導入と、国債買い入れにより、翌日物のコールから10年国債まで、これまで安全性の高い運用が必要な資金を受け入れてきた市場が全てマイナス利回りとなっています。つまり、プラスの利回りを期待するには15年以上の期間にするか、信用リスクや流動性リスクなど何らかのリスクをとる必要があります。10年以内で、安全性が高くて、プラスの利回り、のものはないのです。10年以内のものでプラスの利回りであれば、安全性が高くない、何らかのリスクをとっているものなのです。こうしたことを念頭におき、安全性が高くて高利回り、といった美辞麗句に惑わされないように注意しましょう。
注:銀行の預金や、既存の保険契約などで、元本の安全性が高くプラスの利回りのものは、銀行や保険会社が自分の懐を痛めてプラスの利回りにしているだけのことです。

◆その投資を通じて自分は時間をかけて何を積み上げていくのかを考えてみましょう。
中長期的な投資と、短期的な投機の大きな違いは、投資は基本的に時間をかけて何かを積み上げていくものだということです。投資は、投資先の資産が本源的にもっているお金を増やす力(債券の利金収入や株式の配当収入、企業収益や純資産が増えていくことで株式の価値が高まり価格が上昇すること、等)を使い、時間をかけてお金を増やしていくものです。投資をする際には、自分は10年間その資産に投資した場合、何を積み上げていくのか、何がどれくらい積み上がっていくことに期待するのか、を考えてみると、自分の考えを整理しやすくなると思います。また、そうしたことを考えてみることで、単に人気だから、売れ筋だから、注目されているらしいから、といったリターンの源泉が何なのかもよくわからないような資産にお金を投じたりすることを避けられます。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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