第5回 「ゼッタイに理解しておきたい投資信託にかかる費用の話」

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第5回 「ゼッタイに理解しておきたい投資信託にかかる費用の話」

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第5回 「ゼッタイに理解しておきたい投資信託にかかる費用の話」

投資信託にかかる費用に関しては、大きく3つの項目を理解しておく必要があるでしょう。買付にかかる費用である購入時手数料(販売手数料)、ファンド保有時にかかる費用である運用管理費用(信託報酬)、ファンド解約時にかかる費用である信託財産留保額の3つです。これ以外にも、ファンド監査や法律・税務顧問への報酬、印刷費用などがかかるケースもありますが、その料率は年率で残高の0.1%程度に限定されているケースが多く、投資成果に与える影響は相対的に小さいと言えます。

さて、3つの費用のうち、販売手数料から順に説明していきましょう。一般的にこの費用は投資信託の買付時に負担するもので、「販売会社による商品及び関連する投資環境の説明や情報提供等並びに購入受付事務等の対価」と位置付けられています。したがって、販売手数料は、証券会社や銀行等、販売会社に対して支払います。この販売手数料がかからないものを、ノーロードファンドと呼びます。ロード(load)とは「負荷」を意味する英語であり、文字通り、金銭的な負担なく投資をスタートできます。また、販売手数料は、3つの費用の中では、唯一、同じファンドでも投資家によって異なる料率が示される可能性のある費用であることに留意する必要があります。投資信託の購入時手数料は、上限のみが定められているケースが一般的で、上限が3%のファンドであっても、販売会社や買付金額によって手数料率が違うケースがあるということを理解しておきましょう。

続いて、信託報酬ですが、これは 第4回投資信託の仕組みで解説した運用する人、販売する人、管理する人の3者に分けて支払われることになります。運用会社(委託会社)は「委託した資金の運用等の対価」として、販売会社(証券会社や銀行など)は「購入後の情報提供、運用報告書等各種書類の送付、口座内でのファンドの管理等の対価」として、信託銀行(受託会社)は「運用財産の管理、委託会社からの指図の実行等の対価」として、それぞれ信託報酬の一部を受け取ります。信託報酬は年率で表示されますが、ある特定の日にまとめて支払われるものではなく、日割り計算で1日ずつファンド資産から支払われます。

3つの費用のうち、最後は信託財産留保額です。原則として、投資信託の解約にかかる費用ですが、何かのサービスの対価ではないため、運用会社や販売会社、信託銀行に支払われることはありません。「引続き受益権を保有する受益者と解約者との公平性の確保」を図るための費用であり、信託財産留保額はファンド資産に繰り入れられます。分かりやすく言えば、ある投資家が解約することによって、ファンド内部で資産の売却などに伴う取引コストが発生してしまい、それが残された投資家の負担になることがないよう、解約した投資家に一定のお金を置いていってもらうということです。ここで注意したいのは、信託財産留保額については、必ずしもゼロが好ましいものではないということです。長期の保有を考える上では、短期的な利益を狙った投資資金が出たり入ったりするよりも、信託財産留保額があった方がファンド資産は安定し、運用成績にプラスになるという側面もあると思います。いずれにしても、これまでの2つの費用(販売手数料と信託報酬)と違って、あくまで投資家の平等性を保つための費用と理解しておくことが重要です。

コラム執筆:ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原延介

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