第5回 では、そろそろ為替の旅に出てみないか? 【特集】「今、外貨への投資を考える」

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第5回 では、そろそろ為替の旅に出てみないか? 【特集】「今、外貨への投資を考える」

前回まではいま為替と付き合うに際しての本質的なテーマにつき、その概略をお話してきたつもりです。今回はいよいよ5回目、そしてこの連載コラムの最後です。

マルクスは「世界を解釈するのではなく、世界を変革することこそが重要」との言葉を残しています。その主張を支えたのは「過去の哲学者は世界を解釈しただけだ」という思いでした。そのひそみに倣って言えば、前回までの私の話はいわば解釈のレベルです。そこでもう一歩(いっぽ)歩みを進め、実際に自らを変革するために行動してみませんか、というのが今回の主題です。つまり、ご自分の資産の一部をボートに乗せて為替の海に解き放してやるのです。さて、どんなボートに乗せるべきか?

今、流行のものと言えば、FX(外国為替証拠金取引)です。しかしこのFX取引については、スワップ金利とかロスカット等の投資概念につき、それなりの学習が必要です。しかし、それを学ぶだけのゆとりがないという人も多いと思います。

私はそんな人に、もう少しリアリティ=身体感覚を持って為替を認識するための道具として、外貨建てMMFは検討していいと思います。これは特定の外貨の短期金融資産を組み入れ運用される外貨建ての投資信託です。追加型なのでいつでも自由に購入、売却できますし、どれだけ短期で売却してもペナルティはありません。

この外貨建てMMFというボートにご自分の資産のいくばくかを乗せて、為替の海に送り出してやるのです。たいていは1万円程度から乗船はOK。そして少なくとも米ドル、ユーロ、そして資源国としての顔を持つ豪ドルの3つのボート(外貨建てMMF)は利用していていいと思います。

ドル円相場だけ見ていても為替相場はわからないと、お話ししてきました。前回のコラム(第4回 ドル/円相場だけ見ていても分からなくなってきた為替相場)のグラフでお分かりいただいた通り、米ドル、ユーロ、豪ドルは円に対して相当異なった動きをしています(是非、改めて前回の図1をご覧ください)。
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/2011/11/22.html
このことは、3つの外貨建てMMFを持つことでリスク分散に有効であることを示しています。
「貯蓄から投資へ」といいます。しかし、私たちが選択できるのは「貯蓄」と「投資」という二者択一の金融資産ではありません。その間には幾つものレベルがあります。その意味で言うと、複数の外貨建てMMFを保有することは「貯蓄」と「投資」の間に位置する投資スタンスだと思います。

以上3通貨の外貨建てMMFを数万円ずつ持つ程度でも、その瞬間から貴方の為替相場に対する感応度は明らかに変わります。ヒトは自分の損得に直接関与する事象には、真剣にならざるを得ない動物です。この程度の投資で貴方の為替についての認識がよりリアルなものになるのなら安い買い物だと私は思います。

その際、どの地点(購入時の為替レート)から旅立ちをしたかを記憶にとどめておいてください。そして、今どんな地点にいるのか(その時々の為替レート)、さらにはどんなイベントがあった時にはどの通貨はどう動くのか(為替が動く因果関係)をゆっくりと観察しながら、ボートの行方を見守っていけばいいと思うのです。

コラム執筆:角川総一

(株)金融データシステム代表取締役。1949年大阪生まれ金融教育、金融評論家。


外貨建てMMF(ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド)の取引に関する重要事項

<リスク>

当ファンドは、主に外貨建の公社債や短期金融商品など値動きのある有価証券を投資対象としています。当ファンドの基準価額は、組み入れた有価証券の値動きや為替相場の変動等の影響により上下するため、これにより元本損失が生じることがあります。投資信託は、投資元本及び分配金の保証された商品ではありません。

<手数料等(税込)>

当ファンドのご購入にあたっては、以下の手数料等がかかります。

・ 申込手数料/解約手数料/信託財産留保額:かかりません。

・ 当ファンドの買値と売値の間には差額(スプレッド)があり、買値は売値よりも高くなっています。

・ 管理報酬等:日々の純資産総額に対して年率0.91%(上限)を乗じた額及びその他費用がファンド資産より控除されます。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を示すことができません。

※ 当ファンドに係る手数料(費用)の合計額については、申込金額、保有期間等の条件により異なりますので、事前に料率、上限額等を表示することができません。

<その他>

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