マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
「債務超過の会社にファンドで個人からお金が集まるはずがない。」
震災後、被災地の素晴らしい事業者の方々と、その再建を応援したいという個人の方々をファンドを通じておつなぎする「被災地応援ファンド」というファンドを始めました。このファンドについて、当社代表である私、小松真実が2回に分けてお話しします。
冒頭の言葉、東日本大震災の津波により、店舗、工場や原料に至るまで全て失った創業204年、老舗の醤油・味噌の醸造業を営む陸前高田にて、一人も従業員を解雇せずに再建に向かって力強く動き出されていた「八木澤商店」河野通洋社長から初めてお会いした4月13日に言われた一言でした。
それでも当社は、被災地の復興に参加したい全国の個人の方の想いを感じ、河野社長にご理解頂き、再建に必要な事業資金として、半分寄付、半分投資の被災地応援ファンド(1口1万500円:内訳応援金(寄付金)5,000円、出資金5,000円、出資金取扱手数料500円)を4月25日より募集開始しました。
募集開始直後、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」でも、「半分寄付、半分投資の極めて異例のこのファンド」という紹介のされ方でした。
それでも、この「八木澤商店ファンド」、3ヵ月後には、八木澤商店の復興にかける熱意に惹かれた約1,600人の方々から募集総額5,000万円の満額が集まりました。
現在では、北は北海道から南は福島県までの被災をされた企業27社に利用頂き、日本全国、延べ約14,000人の個人投資家の方から4億5000万円以上の資金が集まっています。
「復興には地域産業の再生が不可欠です。このような形で復興の支援ができることを知り参加しました。地域の復興のために頑張ってください」(62歳、男性)
「大好きな海鮮商品を取り扱っている会社がダメージを受けているようだったら、その再開の一助となるような支援ができないかと思っていたところに、今回のプロジェクトを知り、これだ!と思いました。」(49歳、女性)
被災地の事業者の被災状況を考えた、当社としても初めての形態のファンドでしたが、日本中の皆さまの心意気に、とても感動しています。
これまで9社のファンドが満額に達し、この資金を元に事業再建に踏み出されています。
しかし、震災から9ヶ月経過し、やっと生活の基盤が戻り、地域の雇用を回復するためにと、熱気にあふれて、これから事業再建に踏み出そうとする事業者の方々がたくさんいらっしゃいます。
先月もそうした9社の事業者の方々のファンドが新たに募集開始されました。農業や造船業、製麺業など様々な分野で、強い信念で再建に挑む、事業者の方々、ぜひ、ご覧になってみてください。
セキュリテ被災地応援ファンドHP
http://oen.securite.jp/
コラム執筆 小松真実
マイクロ投資プラットフォーム「セキュリテ」を運営するミュージックセキュリティーズ社を経営。現職以前はミュージシャンとして音楽活動を行っており、ミュージシャンが資金調達を行えないことが、音楽的にも経済的にも独立性を阻むものとして、ファンから投資を募るファンドを組成することを目的に、2000年に創業。
2006年より、様々な業種の事業者のファンド組成を開始。現在、144本のファンドを組成している。東日本大震災における被災企業を支援するため、「セキュリテ被災地応援ファンド」を立ち上げ、開始9か月間で14,000人の個人投資家を集めている。
多摩大学卒業(経営学専攻)、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
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