マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドと申します。今日から「ETF解体新書」と題して、ETFの本質について分かりやすく解説してまいります。冒頭から恐縮ですが、このコラムを読んでいるあなたの「属性」をちょっと想像させてください。【1】あなたは個別株、投資信託などに親しんでいる投資家です。【2】ETFという名前は聞いたことがあります。【3】でも、自分には関係がない金融商品だと思っています・・。どうでしょう。図星ではないでしょうか?
多くの投資家の方が、ETFという金融商品の存在は知っていますが、自分が行っている投資には「関係ない」と思っています。これこそ、ETFに対する最大の誤解ではないでしょうか。たとえば、投資信託派の人は「ああ、ETFって株に似たモノでしょ。」と言います。また、個別株派の人は「ETFって投資信託でしょう。」と呟きます。しかし、残念ながらどちらの派も、半分は合っていて半分は間違っています。なぜなら「ETFは株であり、投資信託でもある」からです。ETFという道具の本質は、その「間口の広さ」にあります。右はデイ・トレーダーから、左は長期投資派まで巻き込みます。また、何兆円もの資産を運用するプロの投資家から、ネット証券に口座を開いたばかりのビギナー投資家まで取り込んでしまうのです。
ではまず、個別株好きのあなたの立場に立ってお話しましょう。ETFとはズバリ、株式市場に登場してきた「新しい銘柄」です。これまで何千という個別の会社が「銘柄」として存在してきました。ETFは、表面上は個別株と同じ形をしていますが、中身が違っています。具体例を挙げてみましょう。例えば、これまで任天堂の株を買うことはあっても、日経平均株価を買うという発想はなかったのではないでしょうか。
その昔、日経平均は指標であり、売買すべき金融商品ではないという認識でした。ところが、ETFがその概念を変えてしまったのです。日経平均株価は「ひとつの銘柄」として売買できます。実際、日経225に連動するETFに買い注文を入れるあなたは、日経平均に採用されている225社の株を同時に動かす投資家なのです。米国人はこのダイナミズムに触れ、ETFを「新しい銘柄」として認識するようになりました。例えば、任天堂の株+日経225に連動することを目指すETF。合わせてたったの2銘柄です。この組合せは、任天堂の株が下がっても、日経平均株価が上がれば、その上昇分の利益を確保できることを示しています。あるいは「中国株式会社」の組合せはいかがでしょうか?中国の経済成長に興味はあっても、どの会社を選べばいいか分からない・・。情報量も少ないし、中国の個別株を分析する時間もありません。だったらシンプルに「中国株式会社」を買ってしまおう、という発想です。任天堂の株+中国株ETF。これも合わせて2銘柄ですね。「新しいタイプの銘柄」ETFは、実にさまざまな種類があり、それらはあなたの近くに存在しているのです。
カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
http://www.sinyo-fp.com
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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