第3回 遠い場所を捉えるのがETFの役割  【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第3回 遠い場所を捉えるのがETFの役割  【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。ファイナンシャルプランナーとしてコンサルティング業務を行う際、お客様からETFを自身の投資の中で「どう位置付ければよいか分からない」という質問をしばしば受けます。もしあなたが個別株投資やFXで投資を行っているのであれば、ETFを「遠い場所にあるものを捉えるためのツール」とイメージしてみてください。

具体例を挙げましょう。仮に今、日本の個別株を4銘柄保有し、かつFXで豪ドルを取引している山本さんがいるとします。山本さんにとって日本株式と先進国通貨という投資対象は、自身の心理的な距離が近く、したがって具体的な金融商品(個別株、豪ドル)を選べている状況です。山本さんは「自分の選択は悪くない。でも、これだけではちょっと物足りないなあ」と思っています。この「物足りないなあ」というところがポイントで、山本さんに限らず、多くの投資家は、多様な資産クラスに「分散」を図ったほうがよいとうすうす感じているのです。

リターンを求めると同時にリスク軽減を図るのは、賢明な投資家への第一歩ですが、心理的に距離が遠い「投資対象」については、情報量が少ないこともあり、何をどう選べばよいか分かりません。このような投資対象こそETFという器を用いるべきでしょう。仮に山本さんが、自身が保有する金融商品に加え、アメリカ株式、新興国株式にも興味があり、さらに新興国の債券も保有したいと思っているのなら、日本の個別株+豪ドル+アメリカ株ETF+新興国株ETF+新興国債券ETFの組み合わせが可能です(ちなみに全て日本の市場で、円建てで購入できます)。

アメリカ株ETFについては、ダウ平均との連動を目指すSimple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信(1679)(東証)や、ナスダック100との連動を目指すNEXT FUNDS NASDAQ-100(R)連動型上場投信(1545)(大証)などが選択肢となります。また、新興国株式については、新興国21ヶ国の株式に投資を行う上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)(1681)(東証)が挙げられます。一方、新興国債券では、19カ国の現地通貨建て新興国債券に投資を行う、上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)(1566)(東証)があります。その他、東京証券取引所に上場する34本のREIT(不動産投資信託)を網羅するNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)(東証)を加えるという手もあります。

発想としては、これまでマーケットという天空の中で、細い「点」と「点」を結ぶのみだった投資を、ETFを用い「点」+「面」+「面」・・に変換させるということです。ETFという道具は、国・地域、そして資産の「分散」を容易にしてくれるのではないでしょうか。

※上記に記載の銘柄に関しては当コラム筆者の個人的見解であり、この取引を推奨し、勧誘するものではありません。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表 

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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