マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
株式会社インベストラストの福永博之です。前回から「マネックスシグナル」(※)のアウトライト戦略「ショート(=売り)」についてお話ししていますが、マーケットが調整局面に入っているので、ちょうど良いタイミングではなかったかなと思います。みなさんはしっかり活用されたでしょうか?
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さて、今回も引き続きマネックスシグナルの「Short202」の信用取引活用法についてお話します。まずはいつものように、その特徴をご紹介しましょう。
(Short202の特徴)
・時価総額上位30銘柄を対象
・保有期間は5日程度を想定
・マーケットの動きに合わせ、売りシグナル発生条件を変化させている。銘柄を絞り、短期的な値動きをもとに利益を目指す
前回同様、これもどこかで見たことがある特徴ですね。そうです。みなさんお気づきのように、これは「Long003」の特徴と同じで、「売り」「買い」を逆にしたものです。ところで、「売り」と「買い」が逆になって何か「買い」の時と注意する点が異なるのでしょうか?
まず一つ考えられることは、一般的には時価総額が大きい銘柄は流動性も高いため、売る時の数量を気にせずに行うことができることです。
時価総額が小さい小型株の場合、反発し始めると一気に上昇をはじめ、決済が遅れてしまうことが考えられるため取引数量を増やして売買を行うのは注意が必要ですが、時価総額が大きな銘柄の場合、そうした心配は少なくて済みます。
また、信用取引はよりも少ない投資額で現物取引と同じか、それ以上の売買を行うことができるわけですから、時価総額上位30銘柄は、短期間に比較的大きな数量で売買を行おうとした時にやりやすいということになります。
さらに時価総額上位30銘柄の中で発行済み株式数が多いものは、売り残高が増加した時の逆日歩が発生しづらいと考えられるため、需給面から見ても売りやすいのではないかと思われます。
ただ、実際に取引する際には信用取引の取り組みや逆日歩が発生していないかなどを確認して取引を行う必要がありますので注意するようにしてください。
ところで、2012年4月6日現在のマーケットの動向ですが、日経平均株価は5日移動平均線と25日移動平均線がデッドクロスし、売りシグナルが発生していますが、75日移動平均線は上向きで中長期の上昇トレンドは変わっていないように思われます。
そうした中で、売買タイミングとして注意しなければならない点は、これら個別銘柄の動向に加えて、日経平均株価やTOPIXといった指数の値動きも同時に見ながら売買することです。
なぜなら、前回示した時価総額上位30銘柄は、任天堂を除いて全て日経平均採用銘柄となっていますが、個別株は下落していても、特別なニュースでもない限り、指数が反発を始めたときは一緒に反発を始めることが多いからです。「Short201」も同様ですが、そうした時にロボットの決済シグナルが出るのをただ待っていたのでは、せっかく売りが上手くいっても、利益が減少してしまうことになりかねません。
実際に売買を行っていく中での判断は難しいと思いますが、少しでも信用取引に慣れてきたら、時には臨機応変に対応することも重要でしょう。
それが利益を伸ばすことや危機回避の判断につながると同時に、最終的には自分で自分を助けることにつながるのではないかと思いますので、ロボットのシグナルを参考にしつつ、決済するまで安心せず、日々の株価動向をチェックし、自分で判断し行動が起こせるようにしていきたいものですね。
※本コラムは2012年4月16日に執筆いたしました。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。
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