マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
株式会社インベストラストの福永博之です。今回は、「マネックスシグナル」(※)の「ペアトレード」についてお話しします。
(※)「マネックスシグナル」は、複数の投資分析アルゴリズム(ロボット)の投資判断の内容をメールで配信するサービスです。)サービス詳細はこちらにてご確認ください。
(注)ご利用の際は、マネックスシグナルに関するご留意事項をご確認ください。
そもそもペアトレードとは何かということですが、一般的に割高な株を売って、割安な株を買い、2銘柄の間の価格差が縮まったところで2銘柄とも同時に返済するというのがその方法になります。
また、よく知られている広い意味でのペアトレードで代表的なものに裁定取引があります。裁定取引は、日経平均先物と現物指数の「さや取り取引」のことをいいます。
例えば、先物が10,000円を付けていて、現物指数が9,950円を付けている場合、10,000円の先物を売って、9,950円の日経平均株価の現物指数と連動する現物株を買い、将来価格差が縮まったところで返済を行います。
なぜ、こうした取引を行うのかというと、先物には取引期限がありますが、最終的にはSQ(特別清算指数)で決済され、現物指数と先物の価格が同じになることから、高い方の先物を売って、安い方の現物指数を買うといった取引が成り立つわけです。
そのため、機関投資家や外国人投資家の中には、アービトラージャー(裁定取引業者)と呼ばれる投資家が存在するほどです。
こうした特徴からおわかりのように、裁定取引は最終的にさやが縮まれば利益が出る取引ですので、株価の上昇や下落に関係なく安定的に利益を上げることができるというメリットがあるのです。こういうと、裁定取引だけを行えば利益が出せるではないかと思われるかもしれませんが、多くの取引参加者が見ていますので、先物と現物指数のさやが大きく広がるということはほとんどありません。
従って、大きな利益を上げるためには、大量の資金が必要になってくるので、個人投資家が行うにはハードルが高いのです。
前置きが長くなってしまいましたが、マネックスシグナルのペアトレードはどのような仕組みになっているのでしょうか?
マネックス証券のウェブサイトでは、
『銘柄の平均回帰(短期的には変動性が大きくても、長期的には安定すること)を前提に、買いと売りを組み合わせることが有効と判断される銘柄のペアをロボットが選定します。マネックスシグナルでは、その中でも高パフォーマンスが期待できる10ペアをリストアップして配信いたします。』としています。
最終的に裁定取引のように同じ価格になるということではないものの、連動性の高い銘柄の価格の開きを上手く発見し、価格差が開いたところで高い方を売り建てすると同時に安い方を買い建て(場合によっては逆も考えられます)し、価格差が縮まったところで、同時に返済を行うのです。
この取引のメリットですが、裁定取引と同様、相場が上がっても下がっても価格差が縮まれば利益を上げられる点にあります。
一方で、利益額が比較的小さいというのが、デメリットと言えるかもしれません。また、異なる2銘柄間のさや取り取引ですので、価格差が広がったあと、必ずしも期待ほど縮まらない場合も考えられますし、逆に動いた場合は、両方の銘柄で損をする可能性があることも頭に入れておく必要があります。
ただ、相場の先行きが読みづらいとか、先行きに対して不安があるといったところでは、有効に機能すると思われますので、しっかり覚えておきたい取引手法の一つです。
また、このペアトレードは、信用取引でなければ利用できません。なぜなら、買いと売りのペアで取引を行うため、必ず信用取引の売りが必要となるからです。
信用取引の売りというと、恐いといったイメージがあるかもしれませんが、こうした組み合わせを行うことで、ポートフォリオの分散につながると同時に、上手くいけば安定的に収益を上げることもできますので要注目です。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。
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