「信用取引の実践 マネックスシグナル「ペアトレード」の返済時の注意点について」【信用取引を上手に活用する方法】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

「信用取引の実践 マネックスシグナル「ペアトレード」の返済時の注意点について」【信用取引を上手に活用する方法】

株式会社インベストラストの福永博之です。

さて、今回はいよいよ「マネックスシグナル」(※)のペアトレード戦略について、具体的に見ていきたいと思います。

(※)「マネックスシグナル」は、複数の投資分析アルゴリズム(ロボット)の投資判断の内容をメールで配信するサービスです。サービス詳細はこちらにてご確認ください。

(注)ご利用の際は、マネックスシグナルに関するご留意事項をご確認ください。

まずはペアトレード戦略のロボットの特徴をご覧ください。

(L/S301の特徴)

・ 毎週シグナル配信

・ 保有期間は20日を想定

・ マーケットの上昇、下落にかかわらず比較的安定的に運用することを目標
・ 同一業種内で株価推移から割高割安銘柄を選定しペアを作成する

上記の特徴をこれまで解説してきたアウトライト戦略と少し比較してみましょう。例えば、シグナル配信の頻度からです。アウトライト戦略のロボットではロボットの投資判断については毎営業日配信しています。ペアトレード戦略のロボット「L/S301」は週1回のシグナル配信となっています。

また、保有期間は20日を想定しており、アウトライト戦略でもっとも保有期間が長い「Long002」や「Short201」の10~15日よりもさらに長い期間保有することが想定されています。

このように保有期間が長くなった場合に信用取引で注意しなければならないことは何だったでしょうか?そうです。金利などのコスト面です。おさらいになってしまいますが、買いの時は金利を払う必要がありますし、売りの場合、逆日歩が付いた時などには注意が必要になります。
従って、これまで何度かここで書きましたように、売る銘柄を選ぶ場合、「信用倍率や貸借倍率が低下していたり、逆日歩がついていたりするような銘柄を避ける」であるとか、「中小型株を売る場合も同様の注意を払う」必要が出てきます。

一方で、「マーケットの上昇・下落にかかわらず、比較的安定的に運用することを目標」としたり、「同一業種内で株価推移から割高割安銘柄を選定してペアを作成」したりするとあるわけですから、上記の注意点をしっかりおさえて自分でペアを選べば、失敗も少なくなるのではないかと思われます。

ところで、最後に上記の注意点以外にペアトレードを行う際に、初心者がもっともやってしまいそうな失敗があるのですが、皆さんは思いつきますか?

それは、ペアの銘柄を同時に返済しないことです。ペアトレードは、2銘柄の価格差が縮まることを前提にトレードを組み立てるわけですが、返済のシグナルが出た時に2銘柄とも利益が出ているとは限りません。一方の銘柄に利益が出ていて、一方の銘柄は損失を抱えたままといったケースも考えられます。こうした時に、初心者がやってしまいがちなのが、利益が出ている方だけを返済し、損失が出ている方を残してしまうことです。

ペアトレードは、あくまでも2銘柄の連動性をもとにペアが組まれているわけですから、片方を返済してしまった時点で単なる買い建てや売り建てと同じことになってしまいます。

こうなると、返済のタイミングを逃してしまった場合に損失が拡大することが避けられなくなるばかりか、もう一方であげた利益も吐き出すことになりかねません。

どちらか一方にマイナスが発生していても、ペアトレードでポジションを作ったあと返済のシグナルが発生したら必ず同時に返済するようにしましょう。

それがペアトレード成功の秘訣です。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。

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