第7回 「国内ETFの流動性は大丈夫?」【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第7回 「国内ETFの流動性は大丈夫?」【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。国内上場のETFで真っ先に思い浮かぶデメリットは、「流動性の低さ」だと思います。実際、「カンさん。国内ETFは出来高が少なく約定するのが難しいのでしょう?」という声をしばしばお聞きます。しかし、「売買高の少なさ」と「流動性の低さ」は必ずしもイコールではありません。

例えば、あるETFの出来高が午前中に20口しかなかったとしましょう。そんなETFに筆者が10口の買いを入れて、果たして「10口売りますよ!」と手を挙げてくれる人がいるのでしょうか・・。ところが、約定した口数(出来高)は少なくても、筆者が「10口分買いたい」と手を挙げたときに、「わたしは1,000口売ります!」「こちらも600口売りますよ!」と、常に手を挙げてくれる人がいるとしたらどうでしょう。

この人たちのことを「マーケットメーカー」と呼んでいます。先日のコラム「ETFの裏方を担う人たち」で、ETFの理論価格と市場価格の裁定に取り組むAP(指定参加者)について説明しましたが、この指定参加者がマーケットメーカーとしてETFの売り気配値、買い気配値を提示してくれています。具体例を挙げてみましょう。

筆者は6月11日(月)マネックス証券にて、業種別ETFのひとつである「NEXT FUNDS情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信」(銘柄コード1626)の現在値を確認しました。7,400円でした。筆者が当該ETFの詳細画面で出来高を見ると、なんとたったの「26口」ではありませんか。しかし、当該ETFの「売り気配株数」、「買い気配株数」を見てみると、

【売り気配株数】
946     7,440円
1,149    7,430円
1,155    7,420円
808     7,410円

【買い気配株数】
1,180    7,390円
906      7,380円
993     7,370円
1,194     7,360円

と表示されていました。ご覧の通り、潤沢な株数(ETFでは口数)が売り気配値、買い気配値として提示されていたのです。筆者はこの表示を確認したのち、当該ETFを10口分、1口7,410円で指値注文し、難なく約定することができました。つまり、当ETFの出来高そのものは少なかったのですが、流動性は十分確保されていたのです(注:TOPIX-17の業種別ETFは1口単位で売買することが可能です)。読者の皆さんも一度、ETFの銘柄コードを入力して、該当するETFの「売り気配株数」「買い気配株数」をチェックしてみてください。実際の出来高より多くの気配値が提示されていれば、売買に支障はないと思います。

本コラムは6月11日(月)の場中に執筆いたしました。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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