マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。私事になりますが、2011年9月に米国のファイナンシャルプランナーの全国大会「FPAカンファレンス 2011」に参加してきました。そのとき、あるETFの運用会社の方から、とても興味深い話を伺ったのです。―「50年前、投資といえば「個別株」のみで、誰が「投資信託」なんてやるの?という雰囲気でした。それが今では「投資信託」はすっかりメジャーなツールになっています。また、20年前を振り返ってみると、投資信託といえば「アクティブ・ファンド」であり、誰が「インデックス・ファンド」なんてやるの?という風潮でした(今では「インデックス・ファンド」は十分ポピュラーですね)。そして10年前、ETFなんて買う人がいるの?と言っていた世の中は、もうすっかり様変わりしてしまいました(笑)。」
米国で起こったのは道具の革新だけではありません。この50年で、資産の分散、国・地域の分散を旨とする「ポートフォリオ運用」が広く投資家の間に広まりました。実は、ETFは、ポートフォリオに当てはめる道具として脚光を浴びているのです。具体例をみてみましょう。米化学大手ダウ・ケミカルの「年金基金」は、運用ツールとして積極的にETFを活用しています。(運用額は190億ドル(約1兆5200億円)超であり、米国における最大規模のETF投資家なのだそうです。)
また、カナダにはETFのみを用いて運用を行う会社が存在します。それがHAHN Investment Stewardsです。(カナダのトロントとケロウナに本拠があります。)
同社の顧客は個人投資家、ファイナンシャルアドバイザー、機関投資家などであり、投資一任業として顧客から運用の一切を任されています。同社のサイトに掲載されている、ポートフォリオの一例をご紹介しましょう。同社のモデルポートフォリオのひとつである「Global Balanced Managed ETF Portfolio」は、
カナダ債券5.9%、アメリカ債券15.7%、グローバル債券12.0%、カナダ株式1.7%、アメリカ株式19.4%、グローバル株式15.9%、キャッシュ・その他29.4%となっています。
同社サイトによると、実際に利用しているETFは、アイシェアーズ MSCI EAFEインデックス(EFA)、バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)、バンガード・ディビデンド・アプリシエーションETF(VIG)などがあり、EFA、BNDはマネックス証券でも購入することが可能です。HAHN Investment Stewards社の運用の特徴は、ETFをアクティブにマネジメントするというもの。具体的にはタクティカル・アセット・アロケーション(TAA)という手法を用いて、マーケットの変化に応じ、各資産の保有割合を機動的に変えるスタイルを採用しています。ETFの使われ方も多様化してきているのですね。
コラム執筆:カン・チュンド
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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