マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。モーニングスターが提供する統計データの中に「ETF1年リターンランキング」というものがあります。その「海外ETF版」を見ると意外な事実が判明しました(データは2011年6月末~2012年6月末のもの。日本の証券会社を通じて購入可能な、米国市場、香港市場に上場するETFに絞ったランキングです)。
実は、海外ETF1年リターンランキングの第1位は、 iシェアーズ・バークレイズ 米国国債 20年超(TLT)でした。そのリターンは、なんと+35.72%(市場価格ベース)。また、上位20銘柄のうち債券ETFが10銘柄を占めていました。米国市場に上場している債券ETFは実にバラエティー豊かで、短期、中期、長期国債ETF、社債ETFのほか、物価連動国債ETF、ハイイールド債券ETFなどが選択可能です。たとえば、米国社債ETFとしてアイシェアーズ IBOXX ドル建て投資適格社債(LQD)が挙げられます。
当該ETFは流動性の高い投資適格社債約970銘柄で構成されます。信託報酬を含めた年間経費率は0.15%。2012年8月7日現在の純資産額は約237億ドルあり、これは米国市場に上場するETFの中で第8位の資産規模となります。
また、物価連動国債ETFとして、アイシェアーズ バークレイズ米国TIPS(TIP)が挙げられます。残存期間が1年以上ある米国インフレ連動国債で構成されます。あるいは、米国債券総合ETFと形容される、バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)も選択可能です(年間経費率は0.11%)。そもそも債券はマーケット規模において株式より大きく、今後ETFの分野でも資産残高の増加が期待されます。また株式と値動きが異なることが多い債券は、投資家のリスク軽減のために欠かせないツールでもあります。単品の債券では銘柄の分散、通貨の分散が出来ず、また満期を絶えず気にする必要があります。
たとえば、国内ETFである上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型(1677)を購入すれば、世界の主要国21ヶ国の国債に分散投資を行えます(当該ETFは、シティグループ世界国債インデックスとの連動を目指します)。あるいは、同じシティグループ世界国債インデックスに連動する海外ETFで、米国を除くパターンとして、iシェアーズ・S&Pシティグループ世界国債(除く米国)・ファンド(IGOV)も選択可能です。両ETFとも毎月分配型となります(1677は円建てで、IGOVはUSドル建てで分配金が出されます)。
続いて、新興国の債券に広く投資を行うETFとして、上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM 国債)(1566)が挙げられます。当該ETFは新興国19 ヵ国、約400 銘柄の自国通貨建て国債で構成されます(分配金は円建てで奇数月に出されます)。最後に、債券ETFのおいては、日本国債ETF、日本社債ETFなどが「空白地帯」となっており、1日も早い組成が望まれます。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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