マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。今年の4月にレバレッジ・インバース型ETFが国内市場に上場しました。これら新種のETFは、個人投資家が市場そのものに対して、独自の判断で相場を張ることができる画期的なツールです。レバレッジをかけて買い建てる、あるいは売り建てることは「信用取引」では普通に行われてきました。
しかし「信用取引」は別途信用取引専用口座を開設し、証拠金を積み、決済期限を気にしながら売買を行う必要があります。シンプルに「ひとつの銘柄」を買うだけでカラ売りが出来たら・・。そんな願望を実現させたのがインバース型ETFです。「TOPIXベア上場投信」(1569)、「NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」(1571)が選択可能になっています。双方のETFはそれぞれ、TOPIX、日経平均株価と「真逆の動き」を目指します。
ここでは日経平均インバース・インデックス連動型上場投信を例に挙げましょう。当該ETFは日経平均インバース指数との連動を、具体的には、日経平均が10%下がれば、当ETF は10%上昇するというイメージです。個別株を購入する感覚で、市場全体のショート(売り)をシンプルに買える・・、例えば、個別株を買い持ちすることに加え、市場全体をカラ売り(実際は購入するだけ)すれば、マーケットに対して「ロング」「ショート」双方のポジションが取れます。これまで180度で対峙していた市場が、360度の視野を持って見えてくるイメージです。また、レバレッジ型ETFとしては、「TOPIXブル2倍上場投信」(1568)、「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(1570)が選択可能です。
ここでは「TOPIXブル2倍上場投信」を例に挙げましょう。当該ETFはTOPIXレバレッジ(2倍)指数との連動を目指します。たとえば、TOPIXが10%上がれば、当ETFは20%上昇するイメージです。市場そのものの上昇に確信が持てるなら、個別株を購入する感覚で「2倍のレバレッジ」がシンプルに買えます(しかも既存の証券口座でOK)。
ただし、以下の点は注意が必要でしょう。レバレッジ・インバース型ETFは短期向けの金融商品です。当該ETFが連動する指数は、原指数であるTOPIX、日経平均株価の「日々の」変動率の+2倍、もしくは-1倍になるように設計されています。したがって、2営業日以上離れた期間では複利効果が働くため、インバース指数は原指数の変動率の-1 倍から、レバレッジ(2倍)指数は原指数の変動率の2倍から、かい離してしまいます。また、TOPIX、日経平均株価が上昇と下落を繰り返せば繰り返すほど、インバース指数、レバレッジ(2倍)指数そのものの騰落率は、原指数の-1倍、あるいは2倍から離れていきます。
今後、さまざまな国・地域、あるいは資産についてレバレッジ・インバース型ETFの登場が期待されます。(お隣の韓国ではレバレッジ・インバース型ETFがすでに7銘柄ラインナップされ、ETF全体の売買代金の約6割を占める状況になっています。)
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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