マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回はSQとアノマリーについてお話ししましたが、14日のSQを迎えるにあたって参考になりましたでしょうか。今回は、前回のSQ値とアノマリーの関係の検証です。
では、もう一度SQ値とアノマリーの関係から予測したことを思いだしてみましょう。
【前回の予想】
【1】「このまま反発が続くか、下落しても6月のSQ値で下げ渋る」
【2】「SQ値を下回らせようとして、売る動きが加速する」
と、このような予想を立てました。また、「このまま6月のSQ値を上回った状態が続くようだと、SQ値が高くなり9,000円台を目指すことになるかもしれません」といったことも補足しました。
さて、14日のSQ算出日の結果はというと、推計値で9,076円79銭になり、先週このコラムで予想した通りの結果になったことがわかります。また、先物を買っていた場合の結果も計算してみましょう。
たとえば、前回の原稿がアップされた9月11日に先物ラージをナイトセッションの取引開始時の値段で1枚買っていた場合、ナイトセッションの始値が8,800円でしたので、そのままSQ値で自動精算されたとすると、SQ値(9,076円79銭)-8,800円(買い値)×1000倍×1枚=276,790円の利益が得られたことになります。(ミニはこの10分の1)
ただ、これはうまくいき過ぎだと思われる方がたくさんいるのではないかと思われます。なぜなら、SQ算出日の取引開始前にアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)で追加の金融緩和、いわゆるQE3が発表されたことによるNYダウなど株価指数の大幅高が、日経平均株価の押し上げ要因になったと考えられるからです。
一方で株価の押し上げ要因ばかりではありませんでした。FOMCの結果を受け、円高が進み一時ドルが2012年2月9日以来となる77円11銭を付けるなど円高に振れているのです。
このように二つの強弱対立する要因があるにもかかわらず、株価の上昇の勢いが勝ったのは、まさに14日のメジャーSQで9,000円を上回ってほしい投資家の思惑が優勢になったためではないかと考えられるのです。
では、14日のSQ値が9月以降の新たな基準になったとすると、今後をどのように考えていけばよいのでしょうか?
前回お話ししたアノマリーを元に考えますと、このままSQ値を上回った状態が続くようであれば、9,500円を目指す展開が考えられるのではないでしょうか。ただ、注意しなければならないのは、2012年3月のSQ時のパターンです。このときもしばらくSQ値を上回り、もみ合い状態が続きましたが、割り込んでしまったところから一気に下落する展開になっています。
こうした3月のパターンを考えますと、少なくとも2012年8月20日に付けた日経平均株価の高値(9,227円87銭)を上回るまでは安心できないのではないかと思われますので、注意するようにしてください。
一方うまく高値を上抜くことができれば、一旦利益確定に押される場面があったとしても、上昇トレンドが続く可能性が高くなるのではないかと思われます。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
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