第5回 オプションの権利行使価格と建玉からSQ値を予測する 【福永博之の先物・オプション講座 ステップアップ編】

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第5回 オプションの権利行使価格と建玉からSQ値を予測する 【福永博之の先物・オプション講座 ステップアップ編】

こんにちは。インベストラストの福永博之です。今回は、オプションの権利行使価格と建玉の関係からSQ値を予測したいと思います。

前回みたところでは、10月限コールオプションの権利行使価格9,500円が35,000枚超でもっとも多く、続いて9,250円の25,000枚超、さらに9,000円の24,000枚超などとなっており、9,000円から9,500円までの権利行使価格の建玉が多くなっていました。

一方プットオプションでは、権利行使価格8,000円の建玉が36,000枚超ともっとも多く、次に多いのが権利行使価格8,500円の30,000枚超と、8,000円と8,500円に建玉が集中していました。
あれから1週間たちましたが建玉がどのように変化したのか、もう一度それぞれの建玉数をチェックしてみましょう。10月5日現在の日経平均株価が8,800円台でしたのでもっとも近い権利行使価格8,750円を中心に確認します。

まずはコールオプションですが、権利行使価格9,000円の建玉は33,000枚超、9,250円は約32,000枚、9,500円は40,000枚超と、それぞれ前週の建玉と比較して増加していました。

続いてプットオプションですが、権利行使価格8,500円が約32,000枚、8,250円が21,000枚超、8,000円が34,000枚超でした。こちらは、8,500円と8,250円の建玉が増加しましたが、8,000円の建玉は減少するなどまちまちの動きになっています。

では、皆さんはこうした建玉の変化からどのようにSQ値を予測しますか?ここでのポイントは、権利行使価格8,000円の建玉の減少ではないかと思われます。なぜなら、これまで8,000円のプットオプションを買って持っていた投資家が8,000円まで下落しないと判断して返済を進めたのではないかと考えられるからです。

このため、おそらくですが、市場参加者は10月のSQ(12日)までに8,000円を下回る値下がりは起こらないと考えているのではないでしょうか。

一方で、コールオプションは9,000円から9,500円までコールオプションの建玉がすべて増加していますので、こちらはひょっとすると株価が9,000円か、あるいは9,000円を超えるところまで上昇する可能性があるのではないかと考えているように思われます。

したがって、SQ算出日が近づくにつれて、権利行使価格ごとの建玉数の増減をチェックすることで、投資家がSQ値をどのように予想して売買を行っているかが、ある程度推測できるのではないでしょうか。

SQ算出日まであと数日しかありませんが、こうした投資家のポジション通り株価が動くのではあれば、やはりSQ値は9,000円から8,500円までの間で決まるのではないかということと、きっかけ次第では9,000円に近付くことがあるかもしれないといった見方に多少変化しているのではないかと思われます。

一方で、こうした建玉の変化とは逆に株価が動いた場合、いわゆる「波乱」ということが起こるかもしれませんので、株価に影響を与えそうな重要なイベントなどには特に警戒するといった対応が必要になるのではないでしょうか。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

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