第16回「中国株式ETFの活用法」 【ETF解体新書】

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第16回「中国株式ETFの活用法」 【ETF解体新書】


こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。昨今、中国経済の減速のニュースが各方面から伝えられています。筆者は中国の潜在成長力について楽観しているのですが、それはシンプルに、「欲しいものを手に入れていない人間がまだ膨大に存在する」ためです。現在中国は、輸出と固定資本投資に依存した経済から、内需を本格的に切り開く経済へ移行する過渡期にあります。背の低かった植物が光と水さえ与えれば大きく伸びた時期と異なり、細かいところに手が届くサービス経済を創出していくことが求められているのです。

ところで、ひと口に中国株式といっても「香港市場」と「大陸市場」では大きな違いがあります。香港市場に上場する銘柄は世界中の投資家にプライシングされます。一方、大陸市場のプレーヤーはほとんど国内投資家であり、未だ官製市場の気配が漂います。ETFを用いて中国株式に投資を行う際、ビギナーの方にまずお勧めするのは、香港市場への投資、すなわち「ハンセン指数」に連動する中国ETFです。香港市場上場のトラッカーファンド・オブ・ホンコン(02800)が挙げられます。「ハンセン指数」はかつて香港資本の会社33社のみで構成されていましたが、香港が中国に返還されて以降、中国企業が次々に指数に採用され、現在ハンセン指数の構成銘柄は46社となっています。ハンセン指数を概観すると香港の大陸化が進んでいることが分かります。

次のステップとして、香港市場に上場する重厚長大型の中国企業をパッケージ化した、ハンセンH株指数に連動するETFを挙げましょう。香港市場上場のハンセンH株指数ETF(02828)が代表例です。また、日本の国内市場に上場する、上場インデックスファンド中国H株(1548)も購入可能です。ハンセンH株指数は、業種別の組入れ割合において金融が約57%を占めるのが特徴。組入れ上位3銘柄は中国工商銀行、ペトロチャイナ、中国建設銀行となっています。また、香港市場に上場するH株、レッドチップをバランスよく組み入れたiシェアーズMSCIチャイナ インデックス ETF(02801)という選択肢もあります(香港市場上場)。当該ETFは2001年に運用を開始し、当初は組入れ企業が30社未満でしたが、現在は142社に上っています。

そして最後に「大陸市場」となります。私たち外国人投資家は、上海、深センの株式市場(B株)にしかアクセス出来ません。ただし、一定の条件を満たした機関投資家にはA株市場に投資を行える枠が存在します。ETFを用いればこの投資枠を活用することが可能です。香港市場に上場するi シェアーズFTSE A50 チャイナ インデックスETF(2823)、あるいは、日本市場に上場する上場インデックスファンド中国A株(1322)が選択肢に入るでしょう。前者の連動指数はFTSE China A50指数、後者はCSI300指数であり、どちらも大陸市場の代表的企業を組み入れています。筆者は遠からず大陸市場のA株とB株は統合され、外国人投資家にも門戸を開く時期が来ると予想しています。なお、マネックス証券では香港市場に上場するETFについては特定口座に対応しています。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表 

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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