マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。
皆さんは、米国ではいったいどんな人がETFを買っていると思いますか?「トレード重視の肉食系の人たち?」あるいは「長期保有の草食系の人たち」でしょうか?答えはもちろん「両方」ですね。今日は少し視点を変えて、投資家の客観的な属性からETFホルダーの具体像を覗いてみましょう。
米国のICI(Investment Company Institute)のレポート、「ICI investment company fact book」によりますと、ETF保有者は世帯収入の高さ、保有資産額の多さ、教育水準の高さで際立っています。同レポートによると、全米平均の世帯収入は年48,800ドル。一方、個別株を保有する世帯は平均87,500ドルの収入です。それに対してETF保有世帯は、平均収入が125,000ドルとなっています(1ドル=84円で計算すると1,050万円です)。
また、保有資産額では全米平均が75,000ドル、個別株保有世帯が平均242,000ドルとなっていますが、ETF保有世帯は平均500,000ドルです(1ドル=84円換算で4,200万円程度)。もちろん、ETF保有者と個別株の保有者はきれいに分かれるわけではありません(相当数のETFホルダーは個別株も保有しています)。
それから、教育水準で見ますと、4年制大学の卒業者は全米水準で31%であるのに対し、個別株保有世帯では49%、ETF保有世帯では62%となっています。「要するに、収入が高く、資産が多く、教育水準の高い人がETFを買っていると言いたいのですか?」はい、その視点は間違ってはいません。
しかし、もう少し掘り下げて見てみる必要があります。知識が豊富で、経済的に恵まれ、さまざまな選択肢を持った人が(結果として)ETFをチョイスしている、という事実のほうが重要です。彼ら/彼女らは、さまざまな金融商品を比較検討します。あるいは、多種多様な資産運用をすでに経験しているかもしれません。そのようなスクリーニングの中で、ETFの特性を評価し、最終的にETFを選んでいるわけです(ここが重要ですね)。
もうひとつ、ETFホルダーの特徴は「年齢」にあります。ETFの情報サイトETF Trendsの記事「Younger Investors are Biggest Users of ETFs」によりますと、若い投資家がETFの主要なユーザーであることが分かります。記事によりますと、米国のY世代(75~89年生まれ)のおよそ7割が、過去1年間に初めてETFを購入したと答えています(全米投資家の平均では、過去1年間にETFを購入した人は2割にすぎません・・)。
あるいは、10万ドル以上の資産を持つY世代の投資家の約40%がETFを保有しています。同等の資産を持つX世代(60~74年生まれ)では、ETF を保有する人はわずか19%です。さらに、同等の資産を持つベビーブーマー(46~60年生まれ)世代に至っては、わずか10%の人しか ETF を保有していません。若い世代はもっとも遠い未来を見据える人たちでもあります。時代のエッジに立つ人が、最先端のツールとしてETFを評価する姿が浮かび上がってきますね。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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