マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
株式会社インベストラストの福永博之です。2013年に入ってから株価の上昇が続いていますが、今回は新制度になってからの市場全体の変化について考えてみたいと思います。
みなさんは、市場全体の変化について考える場合、何に注目する必要があると思われますか?
そうです、最初に注目する必要があるのは売買高や売買代金の変化です。前回も昨年の大発会と今年の大発会の売買高と売買代金を比較し、さらに、昨年の大発会の売買単価と今年の大発会の売買単価を比較しましたが、回転売買が増加したことによって、売買高、売買代金は大幅に増加したものの、売買単価は低下する結果になっていました。
では、1月7日以降もこの傾向は続いているのでしょうか?
以下に実際の売買高、売買代金と売買単価を表にしましたのでご覧ください。
○大発会からの東証一部市場の売買高、売買代金および売買単価の推移
※ 東証のデータより(株)インベストラスト作成
ここでまず注目してほしいのは、一日当たりの売買高、売買代金です。大発会の1日だけではなく、日々高水準の売買高、売買代金が続いたため、売買高の一日平均が約36億8459万株、また売買代金も約1兆9466億円と大幅に増加しているのがわかります。
また、10日には売買高が41億株にのぼりました。
ただ一方で売買単価をみると472円57銭と大幅に低下しており、いかに低位株の回転売買が行われたのかがわかる結果となっています。
こうした状況から、信用取引の制度変更は市場を活性化させ、売買高、売買代金ともに高水準に押し上げていると考えられそうです。
さらに、今後政策などでテーマが広がれば、個別株物色が活発になると同時に、商いがもっと膨らむことになるのではないかと予想されます。そうなると、私は50億株超えや60億株近くまで売買高が膨らむのではないかと考えています。
そうしたなか、みなさんは株価の動きについていっているでしょうか?
このような高水準の商いが続いているあいだは、市場の流動性が高いため、個別株物色の好機ととらえることができると同時に、株数を多く買っても、返済する時に売却できるかどうかといった心配をすることも減るのではないかと思われます。
特に、高値を更新している銘柄や売買高、売買代金のランキング上位銘柄は、そうしたトレードを行うための候補銘柄といえるのではないでしょうか。
そこで、次回はランキング上位銘柄について考えてみたいと思います。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
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