第11回 売買高、売買代金ランキング上位銘柄の動向について① 【福永博之の信用取引講座 ~制度変更について~】

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第11回 売買高、売買代金ランキング上位銘柄の動向について① 【福永博之の信用取引講座 ~制度変更について~】

こんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も引き続き、信用取引の制度変更に伴う変化についてお話ししたいと思います。なかでも今日お話しするのは、売買高、売買代金ランキング上位銘柄の動向です。

まずはランキングをご覧いただきましょう。

○東証一部売買高ランキング(2013年1月21日)

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※東証データよりインベストラスト作成

○東証一部売買代金ランキング(2013年1月21日)

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※東証データよりインベストラスト作成
※売買高、売買代金の両方に共通する銘柄に色をつけています。

まずは売買高のランキングからです。こちらのランキングを見ますと、いくつかの変化が見られます。一つは売買高の大幅な増加です。昨年まではランキングの上位に入る銘柄を見ても、大商いの時に1億株を超す銘柄が1銘柄というのがやっとだったと記憶していますが、1月21日のランキングでは1億株を超す銘柄が5銘柄もあります。

これまでは、何か材料やニュースが出た銘柄に売買が集中し、その銘柄の売買高が増加して1億株を突破することがしばしばありましたが、このランキングが示すように5銘柄に広がることはほとんどありませんでした。

また、この5銘柄の合計だけで7億株を超えており、これは、昨年までの1日の売買高40%から50%程度に相当します。

さらに、売買高トップ10の合計も11億株を超えており、21日に特段の材料が出たわけではありませんから、信用取引制度の変更に伴う回転売買の増加で、上位銘柄の売買高の底上げにつながっているということがいえるのではないでしょうか。

続いては売買代金のランキングを見てみましょう。ここでのポイントは、売買高のランキングに顔を出した銘柄が売買代金ランキングにも複数ランクインしており、銘柄が重なっているということです。

これは、売買高の増加が売買代金の増加にも寄与していることを示している結果と考えられます。したがって売買高が増加することで市場が活性化されることに加えて、売買代金の増加をもたらし、それが市場全体のかさ上げにもつながることが考えられるわけです。
こうした結果から、売買高が増加し、売買代金も増加してきますと、低位株物色から徐々に値がさ株へのシフトが起こることになり、日経平均株価やTOPIXといった指数の上昇にもつながるのではないかと考えられそうです。

ただ、そうはいっても売買代金が増加するだけでなく、投資家の利益も増加しなければ、指数の上昇にはつながっていきません。

では、指数の上昇が見込めるのかどうかを予測するためにはこうしたランキングの何を見ておけばよいのでしょうか。これはもうお気づきの方が多いと思いますが、ランキング上位の銘柄のなかで、値上がりしている銘柄が多ければ多いほど、回転売買の効果で売買高や売買代金が増加していることに加え、投資家の投資余力が増加していることになると同時に、指数を押し上げる値がさ株シフトの準備ができつつあると考えられるのではないでしょうか。


コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

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