マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
株式会社インベストラストの福永博之です。今回も前回に続き、売買高、売買代金ランキングを元にお話ししたいと思います。
では、前回同様下記のランキングをご覧ください。上段が売買高ランキングで、下段が売買代金ランキングです。
○東証一部売買高ランキング(2013年1月28日)
※東証データよりインベストラスト作成
○東証一部売買代金ランキング(2013年1月28日)
※東証データよりインベストラスト作成
※売買高、売買代金の両方に共通する銘柄に色をつけています。
前回はこの色付けした銘柄についてお話ししましたが、今回は色付けしていない銘柄について見てみましょう。なぜ色付けしていない銘柄を見るのかと言いますと、この日の特徴として、売買高トップのみずほFGが売買代金のベスト10に入っていないからです。
前回お話しした内容を思いだしてみてください。売買高の増加が売買代金の増加にも寄与しているとお話ししましたが、今回のケースでは、結果が伴っていません。
そうなりますと、売買高の増加が売買代金の増加に寄与しているという考えが間違っているのか、あるいは極端に売買代金が増加した銘柄がランキングに入っているのではないかということが想像できます。
そうです。みずほFGをランキング外に押し出したのは、ファナックと三井物産の売買代金が極端に膨らんだためなのです。この2銘柄は前回のランキングには入っていなかった銘柄ですが、2銘柄とも値下がりしています。
ファナックは値がさ株ですので、商いが膨らめば売買代金ランキングの上位に入るのは理解できますが、三井物産が値下がりでランキングに入るのは珍しいことだと思います。
そこで、前営業日の売買高と当日の売買高を比較してみたところ、前営業日の1.6倍に売買が膨らんでいることがわかりました。
すなわち、この三井物産のように値下がりする時でも回転売買の影響が出ていると考えられるのではないかということなのです。
私たちはともすれば株価が上昇する時に売買が膨らむことばかりを考えてしまいがちですが、下落する時も商いを伴って下落すると同時に、下落のトレンドも発生しやすくなると思われますので、注意したいところです。
コラム執筆:福永 博之
株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。
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