第23回 ETFを使って資産の組み合わせを作る その2 【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第23回 ETFを使って資産の組み合わせを作る その2 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。

先日はETFを用いて、低リスク資産+中リスク資産+高リスク資産という組み合わせを作るお話をしました。低リスクは日本債券(現状、ETFは存在しないためMRFで代替)、中リスクは外国債券、そして高リスク資産は株式となります。シンプルかつ広範に株式投資を行うには、全世界株式ETFであるバンガード・トータルワールドストックETF(VT)がお勧めです。

当該ETFの特徴はふたつあります。ひとつは対象指数である「FTSEグローバル・オールキャップインデックス」が中型株、小型株を含めた包括的な世界株価指数であること(同指数が内包する企業は約8,000社に及びます)。特徴のふたつ目は継続コストの低さです(VTの年間経費率はナント0.22%です)。しかし、複数のETFを組み合わせて世界株式に投資を行いたい人もいるでしょう。

以下、さまざまな「世界株式の作り方」の例です。まず、国内ETFであるトピックスETF(1306)+上場インデックスファンド世界株式ETF(1554)という組み合わせです。1554はMSCI ACWI(除く日本)との連動を目指します。当該ETFはその使い勝手の良さがもっと注目されるべきでしょう。

次にオーソドックスな、トピックスETF(1306)+上場インデックスファンド海外先進国株式ETF(1680)+上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)という組み合わせです。現在の株式時価総額に沿うのであれば、それぞれ10%、75%、15%程度に配分するのが妥当と思われます。この「資産配分」は、株式市場の現在の姿と共に資産形成を行う意思表示となります。仮に「未来の変化」を自身の資産配分に取り入れたいのであれば、日本株式、先進国株式、新興国株式を、たとえば10%、55%、35%と配分してもよいわけです(もちろんリスクは高くなりますが...)。

続いて、先進国部分を細分化した、日本株式+アメリカ株式+ヨーロッパ株式+太平洋株式+新興国株式という選択肢です。これはトピックスETF(1306)+i シェアーズ Core S&P 500 ETF(IVV)+バンガードMSCIヨーロッパ ETF(VGK)+i シェアーズ MSCI パシフィック(除く日本)ETF(EPP)+i シェアーズ MSCI エマージングマーケッツ ETF(EEM)といった組み合わせで実現可能です。次に、先進国の地域区分を変え、アメリカ株式+先進国株式(アメリカ除く)+新興国株式という組み合わせを行ってみます。具体的には、スパイダー S&P500 ETF(SPY)+i シェアーズ MSCI EAFE ETF(EFA)+i シェアーズ MSCI エマージングマーケッツ ETF(EEM)といった選択が可能です(実はEFAの中に日本株式が20%弱含まれます...)。

また、投資対象をフロンティアマーケットに広げ、アメリカ株式+先進国株式(アメリカ除く)+新興国株式+フロンティア株式とすることも可能です。フロンティア株式としてはi シェアーズMSCIフロンティアマーケッツ ETF(FM)が挙げられます。最後に、株式の組み合わせにこだわりすぎ、低リスク、中リスク、高リスク資産の「配分比率」がおろそかになってしまえば本末転倒です。個々の木を見ながらも、いつも森(全体図)をイメージできるよう資産管理を励行していきましょう。


コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

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