第24回 2月18日に上場した、4つのレバレッジ・インバース型ETN 【ETF解体新書】

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第24回 2月18日に上場した、4つのレバレッジ・インバース型ETN 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。

以前、当コラムで「レバレッジ・インバース型ETF」についてご紹介しました。(「レバレッジ・インバース型ETFという新しい武器」)http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/2012/08/22.html

実は先週の18日(月)、ハンセン指数、KOSPI200指数を原指数とする、レバレッジ・インバース型ETNが東京証券取引所に上場しました。今、ETNと書きましたが、決して言い間違いではありません。ETNとはExchange Traded Noteの略であり、ETFとたいへんよく似た特性を持つ金融ツールです(ETF、ETNとも「上場証券」と解されます)。ETNのNは「Note(債券)」であり、特定の指数や資産価格との連動を約した「債券」という意味です。

もちろん、ETFと同じように株式市場に上場し、随時市場価格が変動します。ただし、ETFとの相違点もいくつかあります。

1.発行体の信用リスクがある。ETFはその中身が株式や債券のパッケージであり、資産としての裏付けがあります。しかしETNは特定の指数との連動を約した債券であるため、発行体の信用リスクが表面化すると、ETNの価格そのものが指数と乖離し、仮に発行体が破たんすると価格は限りなくゼロに近づきます。

2.満期(償還期日)がある。ETFの運用期間は無期限ですが、ETNは債券であるため、あらかじめ満期が決まっています。

3.ETNは原則分配金がありません(ETFは分配金あり)。

以下、18日に上場を果たした4本のETNをご紹介しましょう。まず、NEXT NOTES 香港ハンセン・ダブル・ブルETN(2031)とNEXT NOTES 香港ハンセン・ベアETN(2032)です。原指数は香港ハンセン指数となります。2031は、ハンセン指数の日々の変動率の2倍になるように設計されています。ハンセン指数は香港市場に上場する香港資本の企業、中国資本の企業50社からなる株価指数です。元々組み入れられているHSBC銀行、キャセイパシフィック航空などをはじめ、近年は中国資本の銀行、保険会社などの割合が大きくなっています(ざっくり申し上げると、金融・不動産の色彩が強い指数です)。

また、2032はハンセン指数の日々の変動率の-1倍になるよう設計されています。続いて、NEXT NOTES 韓国KOSPI・ダブル・ブルETN(2033)とNEXT NOTES 韓国KOSPI・ベアETN((2034)です。原指数は韓国200種株価指数(KOSPI200)です。2033は、KOSPI200指数の日々の変動率の2倍になるように設計されています。KOSPI200は韓国を代表する企業200社からなる株価指数です。上位組み入れ銘柄は、サムスン電子、現代自動車、ポスコ、新韓金融グループ、LG化学などです(ざっくり申し上げると、輸出関連の色彩が強い指数です)。また、2034はKOSPI200指数の日々の変動率の-1倍になるよう設計されています。

4本のETNとも運用会社(委託会社)は野村證券で、信託報酬は年0.80%。満期は2033年となっています。ETNの発行体はノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイ、発行体の保証者は野村ホールディングスです。いずれのETNも、原指数の日々の変動率の2倍、ないし-1倍になるよう設計されているため、長く持てば持つほど、ETNそのものの値動きが原指数の2倍、ないし-1倍から乖離していきます。レバレッジ・インバース型のETF、ETNとも、短期取引の金融ツールであると自覚する必要があるでしょう。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

■2月18日上場のETNの詳細はこちら(東証HPに移動します)
http://www.tse.or.jp/news/08/130121_a.html

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