マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。
早いもので、もう3月に入ってしまいました。株式市場の3月というと、皆さんはどのようなことが思い浮かぶでしょうか?
一般的には、3月から4月にかけての季節は、学生の卒業や会社に新入社員が入るイメージですが、株式市場の3月は、3月決算企業の業績を締める時期であると同時に、株主に対して配当や優待などの権利が確定する最終月となります。
ちなみに今月の権利付き最終売買日は3月26日です。したがって、配当や優待などがほしい人は、この日まで株を買っておく必要があると言えます。
また株式以外に先物取引では、3月、6月、9月、12月の4半期毎にやってくるメジャーSQの月でもあるのです。
そこで今回から、今週末に控えているメジャーSQや期末ということを題材にした先物取引についてお話ししていきたいと思います。
まず先物取引について簡単にお話ししますと、先物は証拠金を担保に、利益が出ている範囲内であれば何度でも売買ができる取引のことをいい、また必要証拠金に対して売買可能な額が大きいのが特徴で、いわゆるレバレッジが効いた取引が可能となっています。種類はラージとその10分の1のサイズのミニがありますが、3月4日現在の先物のラージの証拠金は51万円、またミニ先物の証拠金は5.1万円となっています。
そうしたなか、3月4日現在の日経225先物を1枚取引した場合、11,650円×1,000倍=1165万円となり、先ほどの証拠金51万円で1165万円分の取引ができることになるわけです。レバレッジに換算すると、1165万円÷51万円=22.84倍となり、およそ22倍のレバレッジがかかった取引が可能ということなのです。
したがって、投資家のなかには、個別株を売買するよりもレバレッジの効いた先物を好んで取引をする人が多いというのもおわかりいただけるのではないかと思います。
ところで、そうした先物取引ですが、前述のように、今週末の8日にメジャーSQをむかえます。メジャーSQは、先物(ラージとミニ)とオプションの精算が重なる日ですが、このSQに向けて先物にある特殊な動きが起こります。それがロールオーバーです。
今週末に3月限(3ガツギリと読みます)の先物が精算されますが、そこで次の取引の主役になるのが6月限の先物です。この時、保有している3月限の先物を売って、6月限の先物を買うことを、ロールオーバーと言います。
このように先物はSQが過ぎると直前まで主役で取引されていた先物が精算され、次に満期日がやってくるたとえば6月限に交代していくわけです。こうした流れを限月(ゲンゲツと読みます)交代と呼んでいます。
さらにこの限月交代が起こる時、先ほどお話ししたロールオーバーが起こるのです。ロールオーバーとは、いわゆる乗り換えの動きです。そしてロールオーバーがスムーズに行えるかどうかが相場の動向に影響を与えることになるのです。
なぜなら、ロールオーバーが上手くいかないと、運用している投資家のポジションのバランスが崩れ、上下どちらかに大きく株価が動いたりすることになるからです。
では、ロールオーバーはいつ行われているのでしょうか?そのポイントは今週末のケースでいうと、3月限と6月限の売買高にあります。ロールオーバーが進むと、3月限よりも6月限の売買高が多くなるため、そこでロールオーバーが順調に進んだかどうかが概ね判断できるのです。
実際に3月4日の3月限と6月限の売買高をチェックしてみると、3月限が81759枚、6月限が27681枚と、6月限の方が少ないのがわかります。
では、週末までの残り数日でロールオーバーが順調に進むのか、みなさんもその目で確かめてみてください。そしてロールオーバーの状況を実感してください。
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