第2回 メジャーSQとその後の株価について 【福永博之の先物取引講座 ~特徴と活用~】

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第2回 メジャーSQとその後の株価について 【福永博之の先物取引講座 ~特徴と活用~】

みなさんこんにちは。インベストラストの福永博之です。

今回は、メジャーSQとその後の株価についてお話しします。

その前に、前回お話ししたロールオーバーはチェックしましたか?
メジャーSQによって限月交代(「げんげつこうたい」と読みます)したわけですが、それまで売買されていた3月限から6月限に切り替わる過程で、6月限の売買高が先週の火曜日5日の54,863枚から翌水曜日6日には110,007枚と、倍増しました。こうした限月交代の時に起こる売買高の増加がロールオーバーと呼ばれる動きの特徴です。

仮に、この3月限から6月限に切り替わる限月交代の時に、6月限の売買高が増加しなかった場合、ロールオーバーが進んでいないことになり、前回お話ししたように、ポートフォリオのバランスが崩れ、株価下落要因になることが考えられるわけです。

こうしたロールオーバーを経て、先週末にメジャーSQが無事終了しました。ちなみにSQ値は12,072円98銭でした。

ところで、皆さんはSQ値の算出方法はご存知ですか?SQ値は日経平均株価採用銘柄の株価の合計を除数(3月12日現在:24.975)で割ったものになります。これは、日経平均株価の算出方法と同じですが、一つだけ異なることがあります。それは、すべての銘柄の取引開始時に実際に値段がついてからその値を合計して算出されることにあります。

日経平均株価は、値段が付いていなくても、いわゆる気配値から算出されますので、取引が成立している、していないは関係なく算出され発表されているわけです。

一方SQ値は、今お話しした通り、個別株のすべての売買が成立し、その値がすべて合計され、除数で割って算出されるのです。そのため、SQ当日の日経平均株価の値幅にない値がSQ値になることがあり、それが「幻のSQ値」などと呼ばれて、トレンド転換の起点になったり、さらにトレンドが加速する起点になったりすることがあるのです。

では、今回のメジャーSQはどうだったのでしょうか?
まず、当日の値幅ですが、安値12,065円09銭、高値12,283円62銭となっており、SQ値もこの中におさまっていますので、幻のSQ値にはなりませんでした。
さらにSQ値と当日の終値を比較してみますと、SQ値は12,072円98銭だったのに対して、終値は12,283円62銭と先ほどの高値になっており、当日は高値引けになっていました。
またそのあとの株価動向を見ても続伸しており、堅調に推移しています。この状況は今月だけなのでしょうか?いえ、そうではありません。実はこれまで、現物指数がSQ値を終値で上回った時、その後堅調に推移するといった傾向が続いているのです。

ちなみに昨年3月、6月、9月、12月の各SQ値は、9,946円46銭、8,613円40銭、9,076円79銭、9,720円36銭となっていますが、それぞれの値を現物指数が上回ると、株価が堅調に推移しており、メジャーSQの値を上回るかどうかが、その後の株価動向を予測する上で、重要なポイントになっているのがわかります。

このように絶対ではないものの、規則性があるように見えるもののことをアノマリーと呼んでいます。SQと株価のアノマリーとよんだりしますので、覚えておくとよいのではないでしょうか。

さて、ここまで堅調に推移している日経平均株価ですが、今後の株価動向についてSQ値との関係で考えてみるとどうでしょうか?
今回のSQ値を一つの目安として考えますと、これまでとは逆に下回るようなことがあった場合は下落に対する警戒が必要ということになるかもしれませんので、覚えておいて今後の株価動向を予測する上で参考にしてみてはどうでしょうか?


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