マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。インベストラストの福永博之です。早いもので、3月ももう残りわずかとなってしまいました。3月と言えば、株式市場では決算月となりますが、その決算月で重要なのが配当や優待取りの動きです。
一方で、そうした配当や優待の権利付き最終売買が過ぎると、株価の理論値が配当分だけ落ちるなどといったことが起こります。
また、先物は既に6月限に限月が交代してしますので、配当分が差し引かれた価格で取引されています。したがって今回のテーマである逆ザヤが現物と先物の間に生じているわけです。
さて、ではその逆ザヤはいつ解消されるのでしょうか?そう、27日になります。27日から権利・配当落ちとなり、3月期決算銘柄のすべての銘柄から予想配当分が差し引かれてスタートするわけです。
ただ、実際の配当は株主総会で承認されてから支払われますので、現在試算されている配当落ち額はあくまでも予想配当による試算ということになります。
そこで、市場で予測されている日経平均株価の配当落ち分を調べてみますと、80円から90円というふうに幅をもたせた結果になっているのがわかりました。
では、ここからは今後の動向を予測する上で次の点についてお話ししたいと思います。1点は配当落ち分が80円から90円となりますと、権利が一旦消滅したあとに株価がその分を取り戻せるかどうかということです。
このように配当分を取り戻すことを埋める(うめる)と言いますが、この配当落ち分を即日(今回のケースでは27日)埋めることができるかどうかという点です。なぜ、即日配当落ち分を埋められるかを気にするかと言いますと、通常は、次の配当や優待をもらえるまで時間がありますから、その間に一旦保有株の利益を確保しようという動きが広がり、売り優勢になることが考えられるからです。
一方でそうした売りを吸収して即日配当分を埋めた場合、それだけ投資家の先高期待が膨らんだことで株が買われ、即日権利落ち分を埋めたというふうに考えられます。したがって、配当落ち分を即日埋めた場合は、その後の株式市場は堅調に推移するケースが多いようです。
ただ逆に権利落ち分を即日埋められなかった場合、その後の株価は軟調に推移することが多く、注意が必要です。ちなみに2012年3月27日は権利付き最終売買日で株価はその日の高値で取引を終えましたが、翌営業日に権利落ち分を埋められず、その後軟調な展開になっています。
こうしたこれまでの結果を踏まえて今後について予測しますと、権利落ち後に配当を埋められない場合は、軟調に推移する可能性があり保有株の利益を確保するなどの対応が必要になるかもしれません。
また、配当落ちによって逆ザヤは解消されますが、株価が軟調になる時、幅は狭いものの逆ザヤが続くことがあります。これも、株価が軟調になる要因ですので、あす以降の動向を見る上で参考にしてください。
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