第5回 先物取引の活用法について 【福永博之の先物取引講座 ~特徴と活用~】

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第5回 先物取引の活用法について 【福永博之の先物取引講座 ~特徴と活用~】

みなさんこんにちは。インベストラストの福永博之です。これまで225先物の季節的な要因や現物指数との逆ザヤなど、市場全体にかかわることについてお話してきましたが、これまで225先物の話しを読んでくださった読者の方の中には、225先物そのものをどのように活用していけば良いのか分からないという方がいらっしゃるかもしれませんね。

また、前回までお話ししてきた内容は市場全体の動向を予測する上で参考になる話しでしたが、225先物の取引を行ったことが無い人にはピンとこない面もあると思います。

そこで今回から225先物の活用法について詳しくお話ししていきたいと思います。ではまず225先物の特徴からです。これはおさらいになりますが、225先物は少ない証拠金で大きなレバレッジを効かせて売買を行うもので、先物ラージを1枚売買する時の証拠金が57万円(4月2日現在)になります。この証拠金額で12,000円の225先物を1枚売買したとすると、12,000×1,000倍×1枚で1,200万円相当の取引を行ったことになります。また、ミニはラージの10分の1ですから、120万円相当の売買が可能です。

これをレバレッジに直すと、1,200万円÷57万円でおよそ21倍のレバレッジが効いていることになるわけです。信用取引のレバレッジが約3.3倍ですので、先物のレバレッジの大きさがわかります。

では、こうした特徴を活かして先物を上手く利用するにどうすればよいのでしょうか。私は細かく分けると4つあると考えていますが、中でも直ぐに始められると考えられるのが、個別株やETFの代わりに225先物を買うということです。

たとえば、今月下旬から3月期決算企業の決算発表が始まりますが、個別企業の決算をチェックしたり、また個別株の動向で一喜一憂したりしたくない、という投資家にとっては、この225先物を1枚買って保有しておくという手があります。

こういう風にお話ししますと、リスクの高い先物を買うのであれば、ETFを買った方が良いのではないかという意見が出てくると思いますが、先物とETFを比較しますと、リスクという点では、確かに先物は追証が発生する可能性がありますので、リスクが高いと言えます。ただ、そもそも、景気が良くなって株価が上昇すると思って投資を行うと仮定した場合、少ない証拠金で始められる225先物取引のリターンの方が大きくなると考えられ、投資効率がよいのです。

仮に4月2日現在にETFを最低単位買うとしますと、12,000円×10=12万円が必要ですが、同じように先物ミニを1枚買うと、前述のラージの10分の1ですから、5.7万円で買えることになります。

もちろん、この証拠金額ですとマイナスになってしまった場合、直ぐに追証が発生する可能性がありますので、余分にお金を入れる必要がありますが、それでもETFを購入するよりも少ない金額で同じ日経平均株価を買えることになるわけです。

ただし、リスクコントールは必要です。ETFの場合値下がりしても、保有しておくことができますが、先物の場合は損失分が発生した場合、証拠金が不足するようですと、追加で証拠金を差し入れる必要が出てきます。

また、先物は期限付きの取引ですから、期近の先物を売買した場合、SQで精算されることになるため、3ヵ月ごとに買う必要が出てきます。これは多少面倒臭いかもしれませんね。

でも、ここでのポイントは、ETFなら塩漬けにしても良いという考え方にそもそも問題があるのではないかということです。

たしかに長期投資であれば、マイナスになってもまた戻ってくるという考え方が成り立つかもしれませんが、特に日経平均株価の1989年からの状況を踏まえますと、塩漬けが正解だったかどうかは疑問が残るところです。

また、塩漬けをしないためにも、先物が3ヵ月ごとに精算されることでリセットすることができると考えれば、3ヵ月ごとにパフォーマンスを検証しながら投資ができると言うことになるのではないでしょうか。

以上のことから、先物のリスクコントールさえしっかりできる投資家であれば、少ない資金で高いレバレッジを効かせた先物の方がより効率的に運用できると考えられると思うのです。

いかがだったでしょうか?みなさんも自分自身が取れるリスクについて考えると同時に、自分が行っている投資についてもしっかり見直してみてください。


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