マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。インベストラストの福永博之です。前回は先物を使った個別株のリスクヘッジのお話をしましたが、今回はETFのお話をさせていただきます。
このところの株価上昇でみなさんの投資成績もとても良くなっているのではないかと思われますが、この上昇相場にしっかり「ついていくことができた人」、または「できなかった人」、とおそらく分かれるところでしょう。そして、「ついていくことができなかった人」の中には「銘柄がすぐに思いつかなかった」であるとか、「投資資金が足りなかった」とか、あるいは「本当に上昇が続くのか半信半疑だった」などという人がいるのではないでしょうか。
そうした時の対処法として、銘柄がすぐに思いつかなかったという人などは、ETFを購入することができます。また、資金が足りないという人は、信用取引を活用したり、225先物やミニ先物を購入することで、チャンスを逃さないようにすることができます。さらに上昇が続くのかどうか半信半疑だったという人は、「株価に連動する金融商品を購入する際にリスクヘッジができる商品を購入する」という考えを思いつけば、株価上昇についていけたのではないかと思われます。
そこで、半信半疑だったという人向けに今回の先物を使ったリスクヘッジの話が有効になります。特にETFのリスクヘッジに先物が有効です。ETFは日経平均株価と連動して動きますし、先物も日経平均株価と連動して動きます。したがって、株価上昇局面で銘柄選びに迷ってしまったときにETFを購入し、続かないと感じたらすぐに売却してしまうか、あるいは先物でリスクヘッジを行って様子をみるといったことが可能なのです。
では、ここからは先物を使ったETFのリスクヘッジの具体例についてです。ETFをたとえば、100株購入したとします。また2012年12月16日の選挙後に買ったとします。12月17日の終値が10,030円でしたので、10,030円×100株=1,003,000円となります。
また、この金額をリスクヘッジするわけですが、225先物はサイズが1,000倍で大きすぎるためミニ先物を活用します。ミニ先物は先物価格×100倍ですから、10,030円×100倍×1枚=1,003,000円となり、ちょうどETFと同じ金額になりますね。また、証拠金も6.3万円(2013年4月23日現在)と、余裕の部分を含めても10万円程度あればすぐに始められます。
こうしたことを踏まえてETFを購入し、下落したときにミニ先物を上手く活用してリスクヘッジを行うということができるようになるわけです。もちろん、相場が急変して下落するようであれば、ETFを売却しても構わないわけですし、ちょっと不安だなと感じた時にミニ先物を売り建てしてリスクヘッジを行うことができるわけです。特に、夜間に取引が行われていますので、昼間仕事で忙しい人が帰ってきてからヘッジが可能になるのがメリットと思われます。
ただ、注意点もあります。それは、株価が上昇したときに先物を返済してしまわないと、損失が発生することです。また、損失が膨らんだまま放置してしまうと、追証が発生する可能性もあり注意が必要です。一方、夜間に取引が可能なことや、少額でリスクヘッジができること、流動性も高いことなどを踏まえ、ETFの購入の際に先物のリスクヘッジを頭の片隅にでも置いておければ良いのではないかと思われます。また、今後相場が急変した時にも有効ですので、まだ先物の口座を持っていいない人は口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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