マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。
皆さんは日本取引所グループが公表している「月刊ETF・ETNレポート」をご存じでしょうか?
http://www.tse.or.jp/news/48/b7gje60000039d46-att/b7gje60000039d7j.pdf
当該レポートでは国内市場に上場するETF・ETNの月間売買代金ランキングのほかに、売買代金増加率の上位銘柄を公表しています。2013年3月度の同レポートを見ますと、3月は不動産、REIT銘柄の急騰を受け、「NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信」(1633)の売買代金が前月比7倍となり、売買代金増加率第1位となっています。また、3位には「NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信」(1628)、4位には「NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信」)(1630)がランクインしています。
これらはいずれも業種別(セクター)ETFと呼ばれます。業種別ETFは、東京証券取引所第1部に上場する企業を17の業種で区分し、「TOPIX17 業種別指数」に連動するよう設計されたETFです。個別株を志向する投資家にとっては、「個別の企業」プラス「個別の業種」という組み合わせで新たな投資のポジションが開けます。たとえば、重厚長大型の個別株を持つ前田さんが、併せて「TOPIX-17 情報通信・サービスその他ETF」(1626)を持つ。内需関連株を持つ鈴木さんが、併せて「TOPIX-17 自動車・輸送機ETF」(1622)を保有する(当該ETFは輸出関連銘柄ですね)。あるいは信用取引を利用して、「TOPIX-17 エネルギー資源ETF」(1618)をショートし、「TOPIX-17 電機・精密ETF」(1625)をロングする、といった利用法も可能です。
17種の業種別ETFはそれそのものが「最大公約数化された個別株」なのです。それぞれのセクターは、私たちの想像以上に異なった値動きをします。具体例を挙げますと、2007年6月~2009年2月の世界金融危機発生の前後、TOPIX(東証株価指数)は57%以上下落しましたが、業種別指数の電力・ガスは23%の下落に留まっています。また、2010年4月~2011年12月は、ユーロ危機、東日本大震災の影響でTOPIXは約26%下落しましたが、医薬品は9.4%の下落に留まっています。あるいは、2012年の前半は、業種別の中では食品が上昇率第1位であり、2013年に入ってからは金融緩和の進行に伴って、不動産、銀行、金融(除く銀行)の伸びが顕著です・・。
なお、業種別ETFは野村アセットマネジメント、大和証券投資信託委託という2社の運用会社が運用を行っていますが、大和のほうはほとんど出来高がないため、野村AMを選んだほうが無難でしょう。業種別ETFの売買単位はすべて1口単位であり、概ね1万円~3万円台で購入が可能です。
最後に、17種の業種別指数をご紹介しておきます(すべてについてETFが存在します)。TOPIX-17 食品、TOPIX-17 エネルギー資源、TOPIX-17 建設・資材、TOPIX-17 素材・化学、TOPIX-17 医薬品、TOPIX-17 自動車・輸送機、TOPIX-17 鉄鋼・非鉄、TOPIX-17 機械、TOPIX-17 電機・精密、TOPIX-17 情報通信・サービスその他、TOPIX-17 電力・ガス、TOPIX-17 運輸・物流、TOPIX-17 商社・卸売、TOPIX-17 小売、TOPIX-17 銀行、TOPIX-17 金融(除く銀行)、そして、TOPIX-17 不動産です。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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