マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。
読者の皆さんは「コア・サテライト戦略」という言葉を聞かれたことがありますか?コアとは核、中心となる部分であり、サテライトは衛星、すなわち周辺という意味です。個別株をコアとしながら、サテライトとしてETFを持つ、という使われ方があります。たとえば、日本の個別株を6銘柄持っている人が、海外株式も押さえるため、サテライトとして先進国株式ETF、iシェアーズMSCIコクサイETF(TOK)を保有する、という具合です。
ETFは本来、個別株では届かない広範な投資対象を捉えるツールです。しかし、細部の投資にこだわる人は、特定の狭いエリアでETFを用いる場合があります。たとえば、株式市場では特定のテーマが物色されることがあります。「半導体関連」が注目されれば、普通はその「テーマ」に呼応するひとつの企業を探そうとしますね。仮に、あなたが半導体関連の会社、A社かC社かで迷っているとしましょう。ここで発想の転換をすれば、「半導体関連の企業群」をひとつの銘柄として保有することもできるのです。ズバリ、マーケット・ベクトル半導体ETF(SMH)がこれに当てはまります。当該ETFは半導体製造に関わる会社など26社に投資を行います。年間経費率は0.35%です。今日はこのような「テーマ型ETF」をご紹介いたしましょう(以下、いずれも米国市場に上場するETFです)。
次に、マーケット・ベクトル・ウラニウム+原子力エネルギーETF(NLR)です。当該ETFは、ウラン採鉱や、原子力のプラント建設、電力事業者を含む、原子力に関わる企業群を組み入れています。当ETFの組み入れ第3位には三菱重工、6位にIHI、10位には太平電業が入っています。
エネルギー資源といえば、今後、化石燃料の枯渇を見据えて次世代のエネルギーを育成していく必要があります。次に挙げる、パワーシェアーズ・グローバル・クリーン・エネルギーポートフォリオ(PBD)は、風力発電、太陽光発電に関わる会社などで構成されます。組み入れ上位8か国は、アメリカ39.24%、中国12.37%、デンマーク5%、香港4.17%、ドイツ4.06%、ブラジル3.47%、スペイン3.45%、日本3.03%となっています (5月3日現在)。
同じく重要な資源に「水」がありますが、パワーシェアーズ・グローバル・ウォーター・ポートフォリオ(PIO)は、パリセーズ世界水事業指数への連動を目指し、水道事業、浄化施設、淡水化装置に関わる企業を組み入れています(組み入れ銘柄の中には栗田工業があります)。さらにiシェアーズ S&P グローバル・ティンバー&フォレストリー・インデックス・ファンド(WOOD)は、木材、紙・パルプ等に携わる企業26社で構成されています(銘柄コードがお洒落ですね)。
また、昨今注目されるバイオテクノロジーですが、2001年にナスダック市場に上場した、iシェアーズ バイオテックETF(IBB)も注目されます。当該ETFは直近10年間で年率12.25%というリターンを残しています。ただし、ボラティリティーが大きいことに留意が必要でしょう。このように、個性的なテーマ型ETFを投資のサテライトとして利用する道もあるのです。
コラム執筆:カン・チュンド
晋陽FPオフィス代表 http://www.sinyo-fp.com/
2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。
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