第31回 広くアジアの成長を捉えるETF 【ETF解体新書】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第31回 広くアジアの成長を捉えるETF 【ETF解体新書】

こんにちは。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンドです。アジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)は2011年8月の報告書『Asia 2050: Realizing the Asian Century』の中で、2050年までに世界の経済生産高の半分をアジア地域が占め、現在の欧州と同水準の収入がある人がアジアで30億人程度増えると予測しています。また、同報告書では、アジアの繁栄を牽引する7大経済大国として、中国、インド、インドネシア、日本、韓国、タイ、マレーシアを挙げています。実は、欧米の指数提供会社であるMSCIが上記の投資対象をほぼ網羅する「MSCIエマージングマーケット・アジア指数」を算出しています。指数が組み入れる企業数は現在538社(5月31日現在)で、構成国として中国、韓国、台湾、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの8ヵ国が挙げられます。対象地域のイメージは東アジア+インド+東南アジアですね。当該指数の「ファクトシート」はこちらで確認できます。(英語)
http://www.msci.com/resources/factsheets/index_fact_sheet/msci-emerging-markets-asia-index-net.pdf

実は「MSCIエマージングマーケット・アジア指数」との連動を目指すETFが香港市場に上場しています。それが「iシェアーズ MSCI エマージング・アジア・インデックスETF」です(02802)。当該ETFは2009年に香港市場に上場し、年間の経費率は0.59%となっています。業種別で見ると金融・IT関連で組み入れのおよそ50%を占めます。国別の組み入れ比率は、中国29.43%、韓国23.56%、台湾18.23%、インド11.02%、マレーシア5.99%、インドネシア 5.05%、タイ4.61%、フィリピン1.65%となっています(4月30日現在)。
当該ETFの年別リターンは、2009年 92.02%、2010年 19.53%、2011年 -15.33%、2012年 18.34%となっています(ただし2009年はETFの始期である3月以降から12月末までの数字)。構成銘柄で一点ユニークなのは、インド株式については個別の銘柄を組み入れず、i シェアーズ BSE SENSEX インド株ETFを保有している点です。当該ETFのファクトシートはこちらです。(英語)
http://hk.ishares.com/documents/en/factsheet/hk/2802-ishares-msci-emerging-asia-index-etf.pdf 

ところで、新興国株式ETFとしては「MSCIエマージングマーケット指数」との連動を目指すi シェアーズ MSCI エマージングマーケット・インデックスファンド(EEM)や、「FTSEエマージング指数」との連動を目指すバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)が有名です。実は「MSCIエマージングマーケット・アジア指数」は「MSCIエマージングマーケット指数」の一部であり、式で表しますと、MSCIエマージングマーケット指数 = MSCIエマージングマーケット・アジア指数 + MSCIエマージングマーケット・ヨーロッパ・中東・アフリカ指数 + MSCIエマージングマーケット・ラテンアメリカ指数というふうに分解できます。最後に、マネックス証券では香港市場に上場するETFについては特定口座に対応済みとなっています。

コラム執筆:カン・チュンド

晋陽FPオフィス代表  http://www.sinyo-fp.com/

2000年にFP事務所を開業以来、資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。

マネックスからのご留意事項

「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧