マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回はテクニカル分析の活用範囲についてお話ししたいと思います。
ところで、みなさんはテクニカル分析をどのように活用しているでしょうか?テクニカル分析の活用範囲はいろいろ考えられますが、最もシンプルなのが、これまでテクニカル分析の種類でお話ししてきたように、売買タイミングやトレンドの分析、また過熱感を探ったり、高値や安値を付けるサイクルで売買タイミングを考えたり、とテクニカル分析を活用して実際に売買している人が多いのではないかと思います。
それでは企業業績を分析して投資している人はどのように売買タイミングを考えればよいのでしょうか。
一般的に業績面を重視して中長期投資を考える場合、売買タイミングや株価の値動きに左右されることなく、割安だとの分析結果が出た時点で細かい価格を気にせず買うことが多いと思います。
ただ、現在のように四半期に1度行われている決算発表で業績の見通しが変わらなくても、あるいは、仮に上方修正された場合でも、コンセンサスに届かなかったという理由で株価が大きく上下に動くケースが目立っており、こうした動きに慌てさせられる投資家も多いのではないでしょうか。
そうした時、私は業績を重視する投資家も売買タイミングやトレンドに着目して売買を行えば、損失拡大を未然に防げるケースがあるのではないかと考えています。
たとえば、最も基本的な分析手法にPER(株価収益率)がありますが、PERが低く、市場平均と比較しても割安だと考えられる銘柄がたくさん存在します。ただ、そうした銘柄でも株価が上昇しないケースや逆に下落してしまうケースもあります。
そうした値動きをしている銘柄についてテクニカル分析では、少なくとも買わない方が良いといった判断ができるようになります。なぜなら、株価が下落しているケースでは下降トレンドになっていますし、また横ばいのケースでも、下落したらロスカットするというのが、トレンドフォローでテクニカル分析を行う場合のセオリーだからです。
また、逆に割高と見られている銘柄でも株価が上昇するケースがあります。もし割高だと考えているのであれば、そうした銘柄を買わなければ良いわけですが、そうした銘柄でも別の尺度、たとえば成長性からみた場合に、まだ株価の上昇余地があるといった見方ができるわけですが、そうしたケースでは売買タイミングをどこに置けばよいのかわからないことが多いように思います。
そうした銘柄に投資した時の失敗で見かけることが多いのが、決算発表などで成長が鈍化したとわかった時点で大幅下落するケースです。そうした銘柄の場合、事前に株価が伸び悩んでいたり、決算発表まで様子見になっていたりするケースが多く、トレンド分析を行っていれば、株価の上昇に変調をきたしていることを事前に読み解くことができますし、少なくとも決算発表日をチェックする必要があることがわかるのではないでしょうか。
こうして見ると、テクニカル分析はトレーダーだけのものではなく、業績を重視するひとにとっても強い味方になってくれることがわかるのではないかと思います。
ちなみに、昨年10月に開催された国際テクニカルアナリスト連盟のシンガポール大会に出席した時、ボリンジャーバンドを開発したジョン・ボリンジャーが、講演の中で、自分は最初ファンダメンタルアナリストだったが、テクニカル分析の重要性に気がついて、テクニカルアナリストになったと話していました。
実際に売買を行っている世界のプロの投資家も、テクニカル分析を活用して運用を行っており、今後さらに重要性が増してくるのではないかと思われますので、テクニカル分析に興味のある方は是非最後までお付き合いください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
マネックスからのご留意事項
「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。