マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回は、テクニカル分析の活用範囲についてお話ししましたが、今回から一つ一つのテクニカル分析を具体的に解説していきたいと思います。そこで、その第1回目としてローソク足についてお話しします。
ローソク足は「キャンドルスティック」と呼ばれたりすることがありますので、海外で使われていたものが日本に導入され、邦訳から「ローソク足」になったのではないかと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、「ローソク足」は日本で生まれたオリジナルのチャート分析手法なのです。その起源は、新潟の米相場からという説がありますが、実は、明治30年代にダイヤモンド社が開発(日本テクニカルアナリスト協会ホームページより)したもので、日本語のローソク足を英語に訳して「キャンドルスティック」として広まったのがその始まりです。
もともと海外では、ラインチャート(終値を結んだ線)と呼ばれるものが一般的で、ローソク足のようなものは使われていなかったのですが、「キャンドルスティック」として紹介されてから海外でも広く利用されるようになりました。
ではなぜ広く利用されるようになったのでしょうか。それは、ラインチャートに比べて情報量が多く、投資家の心理状態などを教えてくれると考えられているからです。
情報量の面からお話ししますと、ラインチャートは終値を結んだ線ですので、価格情報は終値1つしかありません。一方、ローソク足では、一つのローソク足に始値、終値、高値、安値と4つの価格情報があるため日中の値動きを細かく知ることができるという利点があります。また、ローソク足にはご存知のように、価格が取引開始時よりも高い水準で取引を終えた場合は「陽線」、逆に取引開始時よりも低い価格で取引を終えた場合の「陰線」があり、取引開始から取引終了にかけてどのような値動きになったのかがわかる仕組みになっています。
ラインチャートでは、前日よりも高いか安いかしかわかりませんので、初めてローソク足を見た外国人投資家は、日本で作られたチャートはすごい!と、さぞ、びっくりしたことでしょう。
また、「ローソク足」は、始値と終値の部分を実体と呼び、その長さで相場の強さを知ることができるのも特徴の一つです。たとえば、今年4月4日の日経平均株価を見るとわかりますが、この日は取引時間中に日銀による異次元緩和が発表された日で、当日は高値で取引を終える(実体部分が長い)結果となりました。
一方で、東日本大震災の翌営業日(2011年3月14日)を見ますと実体部分の長い陰線が引かれており、株価の下げの強さがわかります。
つづいて、同年3月15日のローソク足を見ますと、実体部分が陰線になってはいるものの長い下ヒゲ(終値が安値を付けた時よりも高い水準)を付けて取引を終えており、売られ過ぎと見た投資家が買い戻したのではないかということなどが想像できるわけです。
このように「ローソク足」の実体部分が陽線なのか、陰線なのか、長さが長いのかどうかに加え、ヒゲ(高値や安値の部分)の長さはどうなのか、などの違いをチェックすることによって投資家がどう考えているのかなどの心理状態もわかると考えられるのです。
したがって、陽線が続いていれば買いが優勢で上昇基調が見込めると考えられたり、陰線が続いていれば、売りが優勢で下落基調の継続が見込まれたり、という風に考えられるわけです。
このようにして「ローソク足」からさまざまなことが読み取れますので、興味のある方は是非調べてみてください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
http://www.itrust.co.jp/recom/index.php
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