第11回 移動平均線の取引への具体的な活用法について①(上昇時の買い) 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第11回 移動平均線の取引への具体的な活用法について①(上昇時の買い) 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。

今回は、これまでお話ししてきた移動平均線を、どのように取引に活用すればよいか、具体的にお話ししたいと思います。
移動平均線を具体的に取引に活用するためのポイントは、グランビルの法則を意識することにあります。グランビルの法則を意識しながら、指値注文に活用したり、成行注文に活用したりするのです。
 
さて、ではここから具体的な話しに入りますが、グランビルの法則の売買シグナル計8つをみなさん覚えていますか?

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上記のように買いのタイミングが4つ、売りのタイミングが4つでしたね。ではここで、上昇し始めた株を買いたい時にあたる①から考えてみましょう。①は株価が横ばいないしは上向きの移動平均線(この場合は5日、25日や75日と想定)を上回ったとします。この時、株価は勢いよく上昇していくことが多いため、通常の指値では買えないことが多いと思われます。
なぜなら、通常の指値注文は待ち伏せ注文だからです。指値注文は下がってきたところを買うという戦略ですから、①のように一気に上抜けていくところを指値注文で買おうとしても、上昇の勢いが強ければ強いほど、買うことができないのです。

そうしたなかで起こる失敗が、いわゆる「押し目待ちに押し目なし」の相場で、高値掴みをしてしまうことです。グランビルの法則の青い丸の④は売りですが、赤い丸の①で買えなかった人は、下落基調になったところを、やっと買えると考えて、すかさず指値注文を入れて高値掴みをしてしまうことが多いのです。
したがって、まず赤い丸の①の場面で注文する際は、逆指値注文を利用するのがポイントです。また、逆指値注文を出す際、やみくもに値段をセットするのではなく、この時に移動平均線の値をセットして、例えば「上向きの25日移動平均線の値を上回ったら買う」というふうにセットしてあげればよいのです。

また、その際、指値で買うのか、あるいは成行で買うのかも重要な選択の一つになりますが、指値で買うメリットは、自分の思った値段で買えることにあります。また、成行で買うメリットは、大概のケースで約定が成立することがあげられます。
したがって、指値注文は自分の好きな値段で買えるけれども、買えなかった場合、逃した魚は大きいといった、「買いそびれ」がおこることが考えられます。
一方成行注文では、「買いそびれ」はほとんどなくなるものの、思わぬ高い値段で買えてしまうことがあったりするのです。

そうならないようにするにはどうすればよいのでしょうか。それは、銘柄選びの時から始まります。どういうことかと言うと、銘柄を選ぶ際、一つ目のポイントは、流動性の高い銘柄(例えば売買高の多い銘柄)を選びます。二つ目のポイントは、注文数量の多い銘柄を選ぶということです。これは、いわゆる「板」(=株価ボードに表示されている売りと買いの注文数量のこと)が厚い(価格に飛びがない)銘柄を選ぶということです。
売買高が多くて注文数量の多い(板の厚い)銘柄を選んでおけば、成行で逆指値注文を出しても、思わぬ高い値段で買ってしまうということは避けられるのではないかと思われます。

いかがですか、このように、グランビルの法則の売買タイミングの考え方を、逆指値注文に上手く活用していくのです。そうすれば、「買いそびれ」が減ると同時に、高値掴みもなくなると思いませんか?
今回は、グランビルの法則の4つある買いシグナルのうち、①を考えてみましたが、次回は②についてお話ししますので、みなさんも自分で考えてみてくださいね。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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