第12回 移動平均線の具体的な取引への活用法について②(反発買い) 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

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第12回 移動平均線の具体的な取引への活用法について②(反発買い) 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】

みなさんこんにちは。インベストラストの福永博之です。

今回もグランビルの法則を実際の取引にどう活用するのかをお話しします。繰り返しになりますが、グランビルの法則には買いのパターンが4つありました。今日はそのなかの二つ目の法則である、「反発買い」についてです。

ここでの「反発買い」で重要なポイントは、移動平均線が上向いていることです。グランビルの法則では200日移動平均線が使われていますが、短中期で売買を考えている投資家にとっては200日移動平均線を利用すると、売買回数が減ることと、売買タイミングが遅れることが考えられます。そのため、今回は25日移動平均線を使って紹介したいと思います。


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上記はローソク足と5日、25日移動平均線が表示されている日立の日足チャートです。このチャートでグランビルの法則の買いシグナルを探しますと、左の○印がついているところになります。25日移動平均線は上向きですが、株価が25日移動平均線を割り込んでおり、その後反発して株価は上昇トレンドを維持し、高値を付けています。

ここで注意しなければならないことがあります。左の○印(成功例)を見ると、割り込んですぐに買っても問題ないと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。なぜなら、25日移動平均線を下回ったあと、左の○印の部分では再び上昇に転じていますが、右の○印(失敗例)の例のように、実際には25日移動平均線を必ず上回るかどうかはわからないからです。

失敗例では、25日移動平均線が上向きで、株価が25日移動平均線を下回ったところで買っていますが、その後、株価は25日移動平均線を上回ることができずに、下落が続くパターンになっています。このような時に、いつか戻ってくるだろうと考えていると、ロスカットが遅れたり、ロスカットできずに損失が拡大してしまったりします。

したがって、実際に売買タイミングをはかる時に考えなければならないのは、グランビルが言うように、「株価が25日移動平均線を上回って反発しているか」どうかなのです。これを勘違いしてしまうと、損失が拡大することになりかねません。

このように「グランビルの法則の反発買い」は、ここで示した成功例のように、上向きの25日移動平均線を上回ったところで買うのが成功の確率を上げるポイントになっています。こうした動きを毎日見ているのが大変だという人は、「25日移動平均線を上回ったら買う」という逆指値をセットしておくとよいのではないかと思われます。

グランビルの法則はシンプルかつわかりやすいルールではありますが、実際の売買に活用するには、株価と移動平均線の位置など細かいところに注意して売買タイミングを考える必要があります。よく理解したうえで、実践で役立ててください。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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