第3回 モメンタムの見方① 0ライン 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第3回 モメンタムの見方① 0ライン 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回は株価の勢いを計るテクニカル分析の基本となる、モメンタムの具体的な見方についてお話しします。まずはモメンタムチャートをご覧ください。


20131015_fukunaga_graph1.jpg


上段がローソク足と移動平均線、下段がモメンタムチャートです。モメンタムチャートは通常1本線ですが、ここでは2本の線が表示されています。なぜ2本の線が表示されているかは後に説明するとして、まずモメンタムチャートの特徴を見てみましょう。

左端にある目盛りに注目してください。上段のローソク足&移動平均線チャートでは株価を表示していますが、最小値(いちばん下の目盛り)は、ゼロ(実際には、ゼロよりも大きい数値)になっています。

一方モメンタムチャートはチャートの中心に0(ゼロ)があるのがわかります。ローソク足&移動平均線チャートでは株価を表示しているためゼロより大きい数値が最小値になりましたが、モメンタムチャートは中心に0(ゼロ)ラインがあることから、株価ではないというのがおわかりいただけると思います。なぜなら、株価にマイナスはないからです。株価はゼロになることはあっても、マイナスになることはありません。

では、なぜモメンタムに0(ゼロ)ラインがあるのか、この0(ゼロ)ラインは何を表しているのでしょうか。
その謎を解くために前回の計算式を思い出してください。モメンタム=P-Pnでしたね。ここに実際の数値を入れて計算してみましょう。ここではnを10日とします。

たとえば、今年1月から、本日までの最高値を付けた5月22日のTOPIXで確認してみましょう。5月22日の終値は1276.03ポイントでした。また当日を含む10営業日前の株価は1181.83ポイントでした。
上記計算式に当てはめて計算してみると、
モメンタム=1276.03-1181.83=94.20となります。

一方で、10月8日の終値は1150.13ポイントであるのに対して10営業日前の終値は1211.15ポイントでした。同様に当てはめてみると、

モメンタム=1150.13-1211.15=-61.02となり、結果がマイナスとなりました。この結果から見てわかるように当日の株価が10日前の株価よりも下落している時はマイナスになることがわかります。
このように株価が10日前の株価を上回って上昇している時は0を上回ることになりますが、一方で株価が10日前の株価を下回って下落している時は0ラインを割り込んでマイナスになることがわかります。
では0ラインは何を表しているのでしょうか。
この0ラインは当日の株価と10営業日前の株価が同じであることを表していると同時に、当日の株価と10営業日前の株価が同じであるということは、株価の勢いが0(ゼロ)で上にも下にも勢いが発生していないことを表しているということがわかります。
このように、モメンタムでは、0ラインを上回るか下回るかが、勢いが発生しているかどうかを見極めるポイントだということを表していますので覚えておきましょう。


コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

マネックスからのご留意事項

「特集1」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧