第7回 RSIの成り立ちについて 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

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第7回 RSIの成り立ちについて 【福永博之の今さら聞けない株価の勢い分析講座】

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。前回からモメンタムオシレーター系チャートの代表格とされるRSIについてお話ししていますが、今回はRSIの成り立ち(考え方)についてお話しします。

前回、RSIは株価の上下動と連動しているとお話ししました。なぜRSIが反落したところで株価が天井を付けるのでしょうか?また、逆にRSIが反発したところで、株価も底を打つのでしょうか?というのが、前回の宿題でしたが、みなさん考えてみましたか?
その答えを導き出すためにはRSIの成り立ちを知る必要があります。それでは、RSIがどのように作られているのか見てみましょう。
RSIはモメンタム系オシレーターチャートと言われるように、勢いも教えてくれるテクニカル分析ですが、モメンタムのメモリ表示とRSIの目盛の表示をまず比較してみてください。


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ここに表示されているように、RSIは0から100までの目盛りになっています。モメンタムはどうだったかと言うと、上限や下限の値はありませんでしたが、RSIはこのように0から100までの間で上下の振幅運動を繰り返して売買タイミングを教えてくれているのです。またこのように0%から100%までの間を振り子のように上下に動くことから、オシレーター(振り子)系チャートとも呼ばれているため、モメンタム系オシレーターチャートなどと呼ばれているのです。

では、ここからはRSIの上下の動きの原理についてお話ししたいと思います。モメンタムでは、値幅が勢いを表すカギでしたが、RSIもその値幅がカギとなります。ただ、モメンタムが当日と10営業日前との単純な差分だったのに対して、値幅は値幅でもRSIは、上昇した値幅が、上昇値幅と下落値幅の合計した額に対してどれくらいの割合になっているのかをグラフ化したものなのです。
では、実際の計算式はというと・・・
RSI=N日間の上昇値幅合計/(N日間の上昇値幅の合計+N日間の下落値幅の合計)×100(%)
と、なります。

計算式がわかるともっとイメージしやすくなります。たとえば、N日間の上昇が250円で値下がりが0だった場合、上記の計算式に当てはめるとこうなります。
RSI=250円÷(250円+0円)×100=100%
では、N日間の値上がり額の合計が30円で、値下がりした額の合計が250円だった場合はどうでしょう?
RSI=30円÷(30円+250円)×100=10.7%
と、なりました。

このように一定期間のなかで動いた金額に対して値上がりの割合がどのくらいだったのかということを客観的に示すことによって、勢いがあるかどうかわかると同時に、買われすぎ、あるいは売られすぎなのではないかといった判断が成り立つわけです。

いかがだったでしょうか。テクニカル分析もこうした客観的な数字の根拠をもとに、売買タイミングをはかっているのだということを、ぜひ覚えておいてください。
次回は、実際の見方についてお話ししたいと思います。
 

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役

http://www.itrust.co.jp/recom/index.php

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